ブラジル・日本人サンバダンサーの華麗な日常

ブラジルに住む日本人サンバダンサーの全く華麗ではない日々

ブラジルのエステに行ってみた話

カーニバルも近い。

追い込みの練習等のせいもあって私の膝の状態は全く回復の兆しを見せず、去年の今頃とほとんど変わらず同じくらい痛い。

まずはここで膝おじさん完全終了の悲しいお知らせです。

 

joe.hatenadiary.com

 

膝、と言えば、今日ブラジルのエステということろに行ってみた。

カーニバルも近いので、もう自力ではどうにもならない昨今、ちょっと試してみようじゃないかと思い立ったのだ。

なぜ膝と言えば、なのかというと、私は思春期の頃から自分の丸膝の上に乗っかっている肉をこよなく憎んでいるからだ。

もう思春期の頃から長らく、ダイエットをしてみたりいろんな努力をしたのに足が全然細くならず膝の皿はでかいままその上に鎮座した肉はたるみおまえは膝にゾウさん飼ってんのかっていうくらいなもんで、若い頃お風呂の中で必死で塩もみ(粗塩♡)をしてる最中に悲しくなって、“こんなにも足が太いのだからもう本当に死のう…”、と泣きながら決意したこともあったほどだ。

思春期恐るべし。

よかったのかわるかったのか、次の日からもお菓子を食べたりしながら、今日までのうのうと生き延びている。

まったく私の膝には現在まで見た目にも故障にも悩まされっぱなしだ。

私のコンプレックスヒストリーはチェーン状に次から次へと繋がって語り始めると自分の人生以上に長くなってしまう可能性の高いパンドラの箱であるので(特に飲んだときな。)これくらいにして。

 

まあ、カーニバルも近いし、興味もあったし、ブラジルで試しにエステというとこに行ってみようかなと思ったわけだ。

 

でも、もちろん金は無い。

なのでGROUPONを使って近所で安いものを探してみた。

具体的にどんなことをするのかポルトガル語の説明で理解しきれないので、安くてそれっぽいものに直接行って後学のためにも一度体験してみようじゃないか。

私が購入を決めたクーポンはスーパーセールということで、

25000レアルが79レアル

になっていた。

どんなお人よしが見ても絶対嘘だとわかる割引率だったが、そこはいろんなセッションを試せるというパッケージだったので、まあ一回行っただけでもこの値段なら諦めはつきそうだし、変なとこだったらもう行かなければいいし、ブラジルの経験値上げとしても、まあ騙されたつもりで行ってみよう。

という言い訳で理論武装して購入してみた。

 

騙されたつもりで、という状況の場合は大抵騙されるものだ。

 

案の定、90日間限定のセッションなのに1回目の予約を取るまで一ヶ月近くかかった。

やはりか、と思ったので、そんなに待たされるなら購入自体キャンセルしたい、と言うと、一回目の予約までは時間がかかるが、その次からはすぐに取れるから、と説明され、疑いつつもしぶしぶと従った。

GROUPONでは、わざと頻繁に予約が取れないようにしたり、他のコースを執拗に勧められたりする、と聞いたことはあってこれもそれのようだな、と思ったが、ひとまずここは目をつぶろう。

まあ、向こうも商売だし、多少はしょうがない。そんな安くばかりやっていたらあちらも商売あがったりだろうしな。

 

で、今日、やっと待望のセッションに行ってきた。

大通り沿いのビル街の大きい綺麗なビルの6階にある、よくありそうなサロンだった。

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問診表に記入すると小さい部屋に連れていかれ、気になる部位などを聞かれる。

担当と思われる愛想の良いちょっと太めの女の人(だいたいここの従業員がことごとくどっちかというと太目だった)が、幹部と思われる痩せた(この人だけが痩せていた)小さい白人の40~50代くらいの女性を連れて部屋に入って来る。

彼女は私の丸膝をチェックするとゾウさん部分をぷるっとつまみ、まあ、これは酷いわね!あなたはこのセッションをやったらいいわ!!と言って目の前の机の上にある問診票の裏にせかせかと3つの項目を書いて内容を説明しながら印をつけていく。

長い説明が続き、これは私の買ったパックに含まれているのか?と聞くと含まれて無いと言う。その3つのセッションは10回のパッケージで全部で5000レアル(15万)ほどだ、という。即決できるか。アホか。

悲願の膝象肉除去には心の底から興味はあり、やってみたい気持ちで私の心も膝の水もいっぱいに溢れたが、一回も試していないものをわあわあとせわしなくポルトガル語でいくら説明されても、わけのわからないパッケージを即決15万で買うほどには私はうっかりものではなかった。

ある程度他の売り込みをされるのはもちろん織り込み済みだったので、とりあえず今日のところは様子見に徹して絶対に契約してはいけないと、お金は彼が出してくれるので彼に聞いてみないとわからない、という嘘を瞬時について攻撃をかわす方針を立てた。

だが執拗に食い下がって来て、架空の彼(ちなみに聞かれるままに答えていたところ、彼は日本人の商社マンで、働き者でお金はあるけど亭主関白でちょっとケチなところが玉に瑕☆、という設定になっていった)に相談して次に決める、と何度も言ってるのに、

『ほら、あなたは爪を綺麗にケアもしてるじゃない!それと一緒よ?!彼に相談しないで自分で買わなきゃ!あなただって働いているんでしょ?どうしてもというなら彼に今から電話して聞きなさい!だってこんなチャンスもうないのよ!今日は特別に5000レアルだけど、普段は倍くらいするの。もう今日を逃したらこの価格であなたに案内できないのよ?ねえどうして!?こんなにお得なんだもの、彼氏に聞かないで自分のお金で買えばいいじゃない!分割だってできるのよ?現代の働く女性がそんなに彼氏に聞かないと何もできないなんてダメよ!!』

うるせえ。

おまえに私の彼(架空)を悪く言われるいわれはねえ。

あ、言ってないか。でも、どっちにしてもそんなことまで言われる筋合いはねえ。大きなお世話だ。

しかし絵にかいたような定型のセールス手法だ。

話をしているうちに彼女がまるでビー玉のような目をしている事に気が付いた。

どこの国も同じだな。

今もあるのだろうか原宿でキャッチに捕まって雑居ビルの小部屋に連れ込まれた人にラッセンの絵(レプリカ)を高額のローンで買わせようとしている人と同じ目だ。

相手を値踏みし人とは思っておらず、目の奥が虚ろで感情が無い。

ビー玉があんまりしつこいので、今日は時間が無いから、そして彼氏に聞いて次のセッションまでに決めてくるので、とにかく今日は今日のセッションをして帰りたい、と数回押し問答をた挙句やっと解放されセッションに入れた。

足に変なぬるぬるしたものを塗られ、ド新人と思われる子が2~3分やる気ないマッサージをしたあと、何の光も出ないただの大型マッサージ器のようなもので5分ほど両足をブルブルして、ハイ終わり、と言われた。

曰く、今日は他の機械が壊れたので、今日はこれしかできない、という。

 

ウソつけ。

 

なるほど、そういうことか。

 

 

 

最近こちらに長い日本人の友人が言っていて思い切り膝を打ったのだが、

 

ブラジルにいると辛抱強くなるか、攻撃的になるか、それとも誰にも関与せずに生きる術を身につけるか、じゃないかねー

 

なんて話をしていて、私は、その状況とテンションにもよるのだが主に攻撃と関与せずの混合型であり(いつまでたっても辛抱強くはならないの♡)、この国では理不尽な目に遭うことも多いので、よっておこりんぼ型と化す時も多い。とにかく文句を言わなければどうにもならないことも多々あるからだ。それで正しい主張をしてもやはり何にもならなくて徒労にまみれるだけのことのほうが多いにしても。

 

ちなみにその友人は、日本で普通に暮らしていて小学校六年生の時にお母さんに、

さあこれから出かけるわよ~、

と軽く言われて、幼心にほうほうこれから家族で旅行かどっかに出かけるのだな、と思いついて行くと、そのままブラジルに連れていかれ住むことになっていた、というなかなかに香ばしくワイルドな環境を生き抜いてきた経緯があるので、彼女のブラジル観にはいちいち重みがあるのだ。

 

 仕方なし、帰り支度をして受付で一応次の予約を取ろうとすると、あと20日後しか予約が取れない、という。

1回目以降はすぐ予約ができる、って言ったじゃない!?と言えば、

ええ、その時はそう言ったと思うわ。予約自体は空いてるの。でもあなたは彼女(ビー玉)の査定によって20日後以降しか取れないということになったの。そう決まっているの。

と、ぶっちゃけてきた。

その頃には受付のその彼女の目もどんどんビー玉のようになってきていた。

あげくに今日やっていないセッションの項目にまでサインをしろ、と言われたので、さすがにそれはひどいと抗議するも、わかった、と言いながら他のスタッフにここに適当にサイン書いといて、と後ろでしらっと言っている。

要は初回にもっと高い契約をしない貧乏人にはクーポンの正規のセッションも全てやらせず、予約の間隔をできるだけ開けるように指示されているのだろう。こんな文句を言われるのは良くあることなんだろうな、と感じさせる堂々たるたたずまいだった。

私は親玉ビー玉のお眼鏡にかなわなかった、ということだろう。

しかも今日の私の恰好と言えば、すっぴんに髪の毛をてっぺんで無造作にお団子にしてノーアクセサリー、パーカーにアディダスのスパッツにスニーカー、という、私がこのエステで働いていたとしても、こいつ、すがすがしいほど金の臭いしねえな、と即座に戦力外通告を突きつけたくなるような出で立ちであった。

 

最後にさすがに腹も立ったしもう来ないだろうなとも思い、

いくら安いクーポンの客で他の契約をしなかったからって言ったって、あなたたちの扱いは酷いと思うよ、と捨て台詞を言って受付を後にした。

 受付嬢はビー玉の目に一瞬だけ苦いものを浮かべた。

 

しょうがねえ。

 

 

ほうらね、騙されたつもりで、って時はこんなもんさ。

 

自分にも反省点はある。

これも経験さ。

まあ、負け惜しみだが。

 

私がブラジルで『完全我関せず型』となる日も近いのかもしれない。

 

 

 

 

 

今日の私のブラジルと、西原理恵子さんの漫画を読んで思ったこと。

暑い。

こちとら現在ブラジル・サンパウロの真夏真(三文字全部漢字ほぼおんなじ♡)っ只中だ。

みなさまはいかがお過ごしか。

恵方巻食い過ぎて腹を壊してはいまいかな。

まあ、そんなに幸福に貪欲になりなさんなよ。

 

この夏は久しぶりに天気の良い日が続いており、日中の日差しもめっぽう強い。

と、いっても、サンパウロはリオなどもっと北の方と比べると特に夜はかなり涼しいし、さらにサンパウロの私の家は比較的涼しくクーラーが無くても耐えられるくらい快適だ。

日本の夏と比べてもじめじめしておらず、日陰においてはしごくカラっとしている。

 

今日は最近できたドラッグクイーンの友達に誘われ、サンパウロのちょい外れのほうにある彼女の所属するサンバチームに行ってきた。

 

彼女とは、この1月下旬に行われた、去年私が出てベストドレッサー賞をいただいたサンパウロの2番目に大きい(と思われる)カーニバルサンバコンテスト(今年は私はコンテストには不参加)の、サンバの多様性をテーマとした今年の開幕の踊り手グループにお互い選んでいただいたという縁で、仲良くなった。

ちなみに他の開会のショー招待者はサンパウロの子供のカーニバルの女王と王様、プラスサイズの女王2名、ドラッグクイーン(←誘ってくれた友達)、トランスジェンダーの女王、サンバを踊るダウン症の女の子、赤毛の白人の身体キレキレの踊り子、私(←外国人代表らしい)という、まさに多様なラインナップであった。

 

仕事としてではなく、純粋に楽しむために全く見知らぬサンバチームに訪れることは昨今の私には稀な事で、面倒見の良い彼女のナイスアシストと、ちょっと外れの方に位置するチームだということもあり皆日本人である私を珍しがってとっても歓迎してくれて、久しぶりにリラックスした楽しい時間を過ごすことができた。ありがとう、フライーラ。

私は、主にブラジルに住む日本人の方たちに向けレッスンをさせていただいていることもあり、サンパウロの中心地で毎日愛を叫んでいる都合上、サンパウロのバリバリ都会に住んでいる埼玉出身ブラジルシティーガールである。

 

本日訪れたそのチームは、聞いたところサンバ会場でパレードを行う中で最も中心地から遠いチームらしく、家から電車など乗り継いで一時間半ほどのところにあった。

 

帰りは、電車が30分ほど遅れやがり、私の家の最寄りの地下鉄まで終電で辿り着けなかったため、仕方なく終電があった電車の最終地点で降りてタクシー的なもの(UBER)を呼んで帰らざるを得なかった。

 

私の乗った駅から一緒の車両に乗って来て少し話をした女の子が同じ駅で降り、

あなたはどこまで行くの?私も地下鉄で彼氏の家まで行くはずだったのに、電車が遅れたせいで地下鉄が終わっちゃったね。。。

と、話しかけてきた。

 

聞くとその彼の家はタクシーで私の家へ行く道の中間あたりで、一緒に相乗りをしても良いと思える場所だった。

 

でもね、悲しいかな、私、少し、知ってるの。

彼女は私の東洋人顔と、なまりのあるポルトガル語から、私が外国人だということはわかっていたと思う。

私は全くもって、わがままなクソ人間であるのだが、それなりにできる範囲は他人に親切にしてあげたいとは常日頃から思ってはいる。

だが、悲しいかな、ブラジルでは外国人を騙そうとする人がたくさんいるので、過剰までに警戒しないといけないことも多い。

 

最終電車で一緒に降りた駅で、私は携帯でタクシーを呼び、彼女をどうしたもんかと思案する。

彼女は、携帯で彼氏にここまで迎えに来てくれと連絡を試みているのだが、まだ連絡がつかないのだ、と言う。

 

彼女を残して私だけ帰るのは心配だったので、では、私の家の方が遠いし、あなたは5レアルくらいくれればいいから、一緒に帰ろうか、と提案してみた。

私は地下鉄で彼の家にいくつもりだったから、小銭しか持ってないの。。。

と、彼女は言ってポケットの小銭を私に見せる。

 

つか、ギリギリすぎんだろう。

 

でも、そんなことは決して裕福では無いブラジル人の間では起こりうることだが。

 

 

うん、そう、知ってる。あやしいの。

 

でも、私も若かりし頃、日本で酔っぱらったり、うっかり財布忘れて家出てしまい、困り果てて友達とかに交通費借りたことだってあるし(さすがに通りすがりの人に交通費借りたことは無いけどさ)。

 

それで、その子の彼氏がUBERで迎えに来てくれるから、あなたもそれに一緒に乗っていって折半しない?と提案されるが、それだけはきっぱりと、車は私が呼ぶからと言って断った。

 

で、ん?と、瞬時に彼女が銃などを隠し持っていないかどうか改めて服装をチェックする。

彼女はバッグなども持っておらず、携帯だけ持った手ぶらで、キャミに短パンという軽装だったので武器は持ってはいなそうだった。

ここブラジルで知らない人のさらに知り合いの車になんて乗ったら絶対に危険に決まっている。

どこに連れていかれるかわからない。やや貧しそうではあったがふつうぽい女の子だといえ、油断してはいけない。

盗まれ、危害を加えられる可能性だってあるのだから。

 

そうこうしているうちに私の呼んだタクシーが着いた。

ええい、ままよと彼女の手を引いた。

 

もう、いいや。なんか彼女を放って行けない。

今日は久しぶりにブラジルでいろんな人に良くしてもらったし。

もしちょっと悪い子だったとしても、私が呼んだタクシー内では彼女も私に危害を加えることはできないだろう。

 

うん、でも、だからね、知ってるの。

服装を改めてチェックしたと同時に、彼女の主な歯が数本無かったのも既に気が付いてたの。

彼氏の家まで寄って行くから、住所を教えて、って言ったけど、彼氏が最寄り駅まで迎えに来てくれるから、タクシー代は彼氏が持って来てくれるからちゃんと半分払うからねって言われて、じゃあ、彼氏が迎えに来てくれるのは駅のどっち側?って聞いても、わからない、と言う。

 

私は、だからね、何度も言うけどさ、ちょっとはさ、知ってるのよ。

 

でも、今日はせっかく気分がいいし、お金の問題では無くて、彼女が目的地で何も言わずお金を払わずにタダ乗りして逃げて降り去っていくのだけは、見たくなかったんだ。

 

だから、彼女の降りるとこらへんの少し前で、今日はお金はいらないよ、私の帰り道の途中だし。困った時はお互い様だからさ。

と、言いました。

ちゃんと払うつもりだったのかもしれない、でも、親切にしたつもりだったのに、もうブラジルで嫌な思いをしたくなくて、万が一彼女に裏切られるのが怖くて自分から切り出した。

 

彼女はすがすがしくさっぱりと、ありがと、と言って、ああ、ここらへんでいい、と言って降りていった。私の名前すら聞かないままに。

 

そのタクシーの運転手さんが話しかけてくる。

私たちの会話を聞いていた彼は、もちろん状況を察していた。

私と彼女が電車の中で知り合ったばかりということや、私が外国人だということ、タクシーのお金はいらないと彼女に言っていたこと。

 

会話のはじめは、君はとってもいい人だね、困った時は皆で助け合うものだから。みんなが助け合う輪ができたら最高だよね、と言ってくれていたが、だんだん説教になってきた。

 

私はある程度わかってたから、、、私がちょっとした親切を、日本人は金を持ってるから利用したろ、とかで無くて、他の困っている人にちょっと親切にしようかと彼女が思ってくれたらいいよね、騙そうとする人もいるけど、私も困っていた時に名前も知らない見ず知らずのブラジル人に助けてもらったこともあるし、、、なんてことも言った。

 

彼は、わからない、わからないよ?でも、彼氏の住所がわからないとかおかしいよね?どこらへんに彼氏が迎えに来るの?って聞いてた時にも駅のどちら側かもわかってなかったし。

本当に残念なことに人を騙そうとする、特に君のような外国人を騙そうとする人がこの国ではたくさんいるんだよ、と、こんこんと説教をしてくる。

 

さらに、わからない、わからないよ?でもね、多分彼女はアプリとかで知り合った誰かもわからない男に会うところだったんじゃないかな、と僕は思うよ。え?では彼女はアプリで知り合った男に身体を売るためにここに来たのかって?いや、そこまでは僕にもわからないけどね。

家の前に着き、ほら、でも料金は彼女の降りるとこを通ってもほとんど変わらなかったよ?と言ってみる。

そういう問題じゃないよ。お金の問題じゃないんだ。とにかく君は本当に悪いブラジル人にはくれぐれも気を付けないといけないよ、と、タクシーを降りる間際まで心配(説教)してくれた。

 

自分ではある程度判断できているつもりでも、きっと生粋のブラジル人から見たら、私はお人良しで危なっかしく見えるのだろう。

 

前述のように知り合った人にできるだけ礼節を持って親切にしたいと常日頃思っているはいる私だ。己の贖罪のため(別に犯罪を犯したわけではない)の、自己満足かもしれない。

だが、ここでは外国人・日本人は金を持っているのだと、たかってくる輩も多いことは私も良く知っている。

だから、本当は皆に好かれたい、もっと親切にしたいという我が欲望もあったりして、言い方は悪いが小銭程度は私が少し多く払っても別にいい、とここでの経験上思っているが、それが相手にとって癖にならないように控えざるを得ない時もいっぱいある。

いつも私もそれをしてしまうと、ブラジル人みんなそれが当たり前になってしまい、結果的に、私ももちろんそうなのだが、他の外国人・日本人までもが嫌な目に遭ってしまうこともあるかもしれないとも、思う。

 

難しいところだ。

 

 

私は、西原理恵子さんの本が好きで、ほとんど読んでいる。

最近も、ダーリンは70歳(代w今後も続くと思うので)シリーズを読み返していた。

彼女は(直接存じ上げないのに彼女、なんて私が言うのは偉そうで申し訳ないが)、日本の、この時代的に、特に現代の女性が生きるのを楽にしてくれる生き方を提示してくれるパイオニアであり、面白くとっつきやすく(時に常識外れで露悪的な部分もあるがw)あっぱれな生き様を見せてくれていて、私にはとても勇気づけられるものだ。

私が知らないだけかもしれないが、他にこんなにも年上のモデルとして女性が楽に生きられるような生き方を見せてくれる方は知らない。愛に満ち、そして辛い日常すらキレキレでギリギリのギャグにしてしまうセンスと技量。

だから、すでに高名であった高須クリニック(に行ったことはまだ無いが)のダーリンの方も、面白くも豊かで立派な方だなあと、彼女の本などを通して知ることになった。

 

その影響だか、今日は終電で会ったその彼女にちょっとした親切くらいしたいという気になったのかもしれない。

盗まれたり、殺されなかったし、いいや。

 

私は西原理恵子さんや高須さんのように突き抜けることはできぬ凡人ではあるが、愛を持って人生を全うできたらいいなあとそんなことを思う、ブラジル午前5時、だ。

 

 明日も仕事さ。もう寝ろ。

自分は裕福ではもちろん無く、5000円以上のものを買う時は自然と身体が震えてしまう小者感あふれるザ・庶民であるのだが、願わくば、いつかケチなことを気にしない小金持ちくらいになって袖振り合うも他生の縁と、困っている誰かのために惜しみなく気前よくバンバン愛情もお金も使うような人になれたらいいなあ、と思う。

 

 

 

 

 

 

 

膝通信~大谷翔平もやったというPRP再生医療の、良く効く版というAPS治療をやってみた話その後と、うまい棒

 


さて、皆様お待ちかね、もはや私のライフワークと化しつつある、私の膝☆通信である。

だから、ちょっとつまんないよ、言っとくけどさ。

 

八月の終わりに日本の地元の病院で膝の再生治療を受け、早四カ月が過ぎた。

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効果がちゃんと見られた暁には皆様にご報告差し上げようと思いつつこれといった決め手がみられないまま、経過を見ていた。

 

どう書くべきなのかやや逡巡したが、正直な感想を時系列に沿って述べさせていただきたい。

 

注射直後→むしろ痛くなったが、これは一時的なモノ(と、言われてたしな)。。。

一ヶ月後→はっきり言って注射前と変わんねえ。でも、あまり無理はせず、様子を見よう。

二カ月後→ん?引き続き痛い時もあるけれど、あれ?でも、前よかなんか良くなってる感じするぞ?

三カ月後→おお、まだ少し痛いことは痛いけど、でもかなり良くなって来た実感が。明らかに以前より痛みを感じる瞬間が減っていると思われる。

よし、ここらでいっちょう、仕事以外では控えていたがもっと踊りの練習をしたり、筋トレとかも負荷を上げて、も少しハードにやってみようじゃないか。

四か月後現在→あら?良くなった実感があったからイケると思ったのに…。やはり今の私には負荷が重かったのか…?忙しかったり無理をしここ一カ月、体調を崩してしまったせいもあるのかな…?また日々痛みがあり思うように動かせないことも多くなってきてしまった。

今年も例年と同様の生活を送れば、また同じ症状になる胸でドキがいっぱいだ。←今ココ。

 

さらにいろいろとそういうことに詳しい方に聞いたりしても、とにかく治療に専念し膝を治すエクササイズをやったらいい、と言われてしまうばかりだ。

以前から、とにもかくにも、膝を治してからの踊りの練習や筋トレなのだ、とは言われてもいたのだが、私なりにだが(もっといい情報を持っている方はぜひご一報いただきたい泣)もう二年以上もいろいろ手を尽くしてきた上、何十万も治療に使ったが治っていないというのに、いったいこれ以上何をしたらいいのか、、、という気持ちでそのたびにやるせなく、辛く感情的になったという名目で甘いものを腹いっぱい食べたりもしている。

 

私の膝のために働いてくれているはずの、いたいけな膝おじさんたちの気力も強大な敵の前、ついに命尽き果ててしまったのか、、、。

固唾を飲んで私の膝おじさんたちを応援してくださっていた皆さんには、ご期待に沿えることのできないままでいる自分の膝ともども、とても口惜しく不甲斐なく、非常に申し訳なく思っている。

 (ただし、再生治療についてを否定しているわけではないのであしからず。皆さん良いお医者さんだったと思うし、予め人によっては効かないかも知れないという説明も受けておったので。)

私は現在ブラジルにおるので、経過を報告し日本の主治医にどういう状況かを問うこともままならないので、これからこの治療によってまだ快方に向かう余地があるのかどうかは現段階では正直、五里霧中である。

 

去年の日本一時帰国前の静脈瘤の手術前後のトラブル、さらにその術後に内腿が痺れてしまい未だ治らないことなど、その手術の経過も良くないので、ますますブラジルの病院が信用できなくなってしまっている昨今、まだブラジルの病院には罹るつもりは今のところは、無い。

 

現在の方針としては、いろいろ聞いた時にこちらのとあるスポーツジムにおいて、膝などが悪い人の為のリハビリと膝の筋トレの間と思われる療法士のやっているセッションがあるのを見つけたので、それに通いはじめた(これがブラジルの物価からしたら超高いのよ。泣)、というもの、と、

 

昨年の日本での膝治療のくだりで出て来た看護師の友人が、あー、ごめんごめん、私の専門なのに忘れてた、と言ってすぐ連絡をくれた治療に、今後良くならない場合期待をかけるというものだ。

番外編~ブラジルに住んでない・日本人サンバダンサーの華麗な日常④闘膝痛記Ⅲ最先端医療への道・出会い編 - ブラジル・日本人サンバダンサーの華麗な日常

 

 なにしろ、その治療は膝の状態を正面切って回復させるという類の治療では無いが、脳内か神経かなんかの本来人間の持つ作用において、痛みと症状を止める(感じさせなくする、過剰に感じなければそれはそれで治ったと同じような作用であるらしい(自分のなりの理解ですが))、というような、正規の総合病院で行われている怪しくない治療が存在する、という話だった。

なので、件のブラジルのジムで膝回復セッションを10回ほどやってみ、もしその効果が無ければまた今年の八月前後に日本に時帰国をすることにし、その治療を受ける方向で進めて行こうと思っている。

 

 

というわけで遺憾ながらまだこの膝シリーズを当分ひっぱらせていただくことになってしまいそうだ。

 まあ、私はよいのだが膝が、皆さんにはまことに面目なく合わす顔がねえ(江戸っ子)といっては蒼い顔で始終平謝りでおるのが、全くもって不憫で仕方がない。

 

ところで最近、日本に一時帰国なされた生徒さんたちが、立て続けて私にうまい棒を貢いで(お土産として)くださった。

家に着くなり光の速さくらいで速攻いただいた。そんでやっぱ、超、うまかった。

うまい棒はいくら日本の反対側にいようとも、やはりうまい、というこの揺るぎなき真実。

もしこの輪(うまい輪という兄弟袋菓子もあるのは余談)が今後もっともっと広がれば、私が2万本以上のうまい棒をお土産として受け取ることが出来、トータルとして再生治療分の金額とトントンにすることも、いずれできるそんな日がくるのかもしれない。

 

何十年かかるかは知らんが。

 

とにかくもう これ以上、私が一うまい棒たりとも無駄にしない事を、皆さんは祈っていてくださると有難い。

 f:id:joE:20190116133042j:plain たこなぐりらしい。

 

※お土産をくださった方にケチをつける意図は全く無く、いただいた味ももちろん超うまくて有難たかったのではあるが、ご参考まで付け加えておくと、私のうまい棒・好きな味ランキングNUMBARSファイルvol.1によると、1.めんたいこ 2.野菜サラダ 3.チーズ(その日の気分により変動)となっている。

万が一に備えて皆さん一応知っておいていただくと良いだろうと思いここに記す。

私が死んだ時には、それで葬式のでっかい花輪を作り飾って、皆さんお帰りの際には好きなだけお持ちいただくという葬儀風習をその後の新たなる日本文化として埼玉あたりを中心に確立させたい。

そしてそれを家で食した方などが、

 

確かにうまいが“野菜サラダ味”とはいったいどういう概念なのか

 

という永遠に解けない謎を私と共有していただけたなら、非常に本望に思う。

 

ブラジルのアサイーがうますぎる件

また長い間ブログ更新を怠ってしまった。

自分で勝手に上げているブログであるというのに(そんなに誰も待ってないしな)、なにぶんヒラメキ重視とうそぶいて天才ぶりたい鼻持ちならない文豪気取りなところが私にはある、と、いうご理解で、ごく少数派の皆様もここは手打ちにしていただきたい。

経過をご心配くださっている全国の私の膝ファンでいらっしゃる方には大変申し訳ないが、なんか急に思い立ったので今日はアサイーの話だ。

日本ではセレブやモデルたちが食すアサイーボウルという触れ込みのもと、ハワイ経由でどんぶらこっこと日本に渡り、2,3年前にブレイクしたご存知驚異のパワーフルーツだ。

日本ではオレンジジュースなどと混ぜて薄めてごまかした感がする流行りに乗っただけのただの甘い紫汁などもスーパーでかなり見かけたが、こちらではアサイー果実を精製しアイス状になって売られているものがポピュラーである。(ジュースとかも無いわけじゃ無いけどね。)

こ洒落た店では日本と同じようにアサイーボウルとしてイチゴやバナナをトッピングして出したり、庶民的な店でもお好みでイチゴ、練乳、チョコレートやらのぺっとり甘いエキスやら、朝食でミルクをかけて食うカリカリしたシリアル、ピーナッツやチョコレートチップなどをのせたり間に挟んだりもできるところも多い。

私の独断と偏見ではあるが、通はやはりストレートでいきたいところだ。

本当のストレートは砂糖を混ぜてないものなのだが、アマゾンで初めてアサイーのナチュラルジュースを飲んだ時に

 

これは泥、ですか?

 

という感想を持ったので、砂糖くらい混ぜたものを食させていただきたい。

 

スーパーで買えるタイプのアイス状アサイーの中で私の今お気に入りのメーカーは写真のものだ。

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見かけないメーカーではあったがいきつけのスーパーで安く売っているのを見つけたので戯れに買ってみた。

これがあらまあ、コスパも良いくせに、なめらかで美味い。

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なめらか~

 

他の有名メーカーと比べても遜色無いというかむしろ好きなくらいだ。

他のよく見かけるメーカーは同じたいてい一リットルで22~30レアル前後するのだが(リオ・サンパウロ自分調べ)、これはだいたい16レアル(500円程度、2019年1月現在)である。

日本ではいったいこの値段でどれだけのアサイーが食べられるというのだ。

最近思いつく私がブラジルに住む一番のアドバンテージが、

 

アサイーが安くてうまい

 

であるのは、自分でも少し悲しく思わないわけでもない。

だが、こればかりは本当にありがたい。アサイーは本当に美味で、何よりも私の疲れた心を癒ししょぼくれた生活を潤してくれるのだから。

 

ただ、そのためにある悩みで切実に悩んでいる。

 

私はストレスが溜まると他人に当たるのではなく(ま、そういう時も結構あるがw)基本的には自分に向けてしまう、そんなちょっぴり内向的な女の子♡だ。

要は食でストレスを解消する、自分は傷つけても他人は傷つけない、ダイアモンドは傷つかない、そんな善良で優しい人間であると思ってくれたらいい。

もし食という逃げ場がなければ、とんだ手に負えない街の荒くれ者と化し、親を殴っては金をせびり通行人にマシンガンをぶっ放しては近所に火をつけて回っていたところだ。みんなは命拾いしたとくれぐれもアサイーには感謝を捧げて欲しい。

 

 とにかく、アサイーは美味しすぎる。

 

そう、実はアサイーが美味しすぎるというのが目下の悩みなのだ。

私はアイスぽいものが大~好き、しかも冷たいものを食べてもお腹をこわさないタイプで、ついつい一回で

アサイーを一リットルぺろりと平らげてしまうからだ。

 

体型と健康を気にしなければならない上、太りやすい人間に、これはきつい。

栄養たっぷりな上、砂糖がしこたま入っているので、下手したら一リットルで千カロリー超えの案件であると思われる。

実際に数年前に激太りしていた時は、地道な日々の努力がクソほど苦手なくせに、毎日毎日仕事のようにコツコツと一回に少なくとも500mlのアサイー摂取をする努力は決して怠らなかった。

 

もうあの頃の私には戻りたくない。

 

それにいくら滋養のあるものだとはいえ、そんなにいっぺんに大量に食べていて絶対に身体に良いわけがない。

ストレスとアサイー以外での偏った食生活のせいもあったのだろうが、その当時は実際に二週間周期で風邪を引いていたものだった。

 

安くてうまいアサイーを見つけたといっても、ブラジルの物価も爆上がり中であるし(日本の感覚だと毎年物価が上がるというのに未だ慣れない。ガリガリ君が10円値上がりしただけで社員たちが謝っている写真が記事になる国とは違うのだ。毎日食べるとなると私の経済力においては高いし)、その頃ほどにはハマっているわけではないのだが、今も実際アサイーを食べながらこれを書いていて、すでに二杯目を平らげ、三杯目をおかわりしようとしているところである。

ちなみに私の盛り付けペースでは、一リットルを分けて四杯で完食とあいなる。

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ああ、そうこうしている間に三杯目もあっという間に食べてしまった。

多分すぐさま四杯目もいってしまうだろう。

 

 

ああ、アサイーがうますぎる。

 

 

番外編~ブラジルに住んでない・日本人サンバダンサーの華麗な日常⑨闘膝痛記Ⅹ・最先端医療への道、その後

さて、APS療法による治療は全て終了した。

さようなら、そしてありがとう。皆様には長々と私の膝に付き合ってくださり、膝ともどもとても感謝している。

有難いことに翌日からさっそく膝の痛みはビタイチなくなり、日本出発前に富士登頂、フルマラソンにチャレンジしなんと大会新記録を樹立。表彰式からその足で臨んだトライアスロンの世界大会では2位を大きく引き離し世界記録をマーク。あんまり調子が良くなったので飛行機には乗らずにブラジルまで歩いて戻ってきた。(たまに泳いだ。)

というようなご報告を皆さんご期待されているのだと思うが、

翌日から膝は腫れ痛み出した。

え、じゃあ逆に悪くなっちゃったの?と思った方。

早とちりに気をつけて。

そんなんじゃ、あなたのその早とちりが原因で夫(妻)や恋人と別れ、職場は追われる羽目になり、道に落ちてるバナナの皮で滑って転んでいずれ死ぬ。

2,3日は膝がかなり痛くなること、下手したら1週間くらい続くことは膝名医先生より治療直後に聞いていた。

治療して5日ほど経ち、やっと少し楽に感じ始めた頃にはもう日本出発の前日となっていた。

では、治療して二週間経った今は治ったのかどうか、と問われれば。

 

 

 

まだわからない。

 

 

 

のだ。

この治療は傷んだ組織の修復を促すものなので、その修復がある程度進むまで時間がかかる。注射を打ったらすぐに治る、という類のものではないのだ。

ではいつ治療の効果が出るのか?といえば、 確か効いた場合は1~2カ月くらいで効果が出てくる、という話だった。

3ヶ月後に症状の変化についてのアンケートを受けることになっているので、それくらいが効いたか効かないかの判断がつくひとつの区切りなのだと思う。

現在の膝の状態と言えば、正直以前とあんまり変わらない。だが、なんか良くなっていくような、膝内が活性化されつつあるような、そんな気がする。

、、、のは、願望と、2万うまい棒(単位)を無駄にしたくないという心理がなせる思い込みなのだろうか。

 

「おい、まだひっぱるのか」「騙された」「金返せ」と、おっしゃりたい気持ちもわかる。

だが、そういったことなので文句を言われても困るのだ。私のせいじゃないし、金は返さない。

冒頭でさよならを告げたばかりではあるが、皆様引き続きもう少々私の膝にお付き合いいだきたい。

 

 とりあえず、今私にできることは、膝修復工事のために下僕のように働かされているおじさんたちを全力で応援することだけだ。

 

ぜひ皆さんも心の中でおじさんたちにエールを送ってやって欲しい。

“膝おじさん”は、いつもあなたの心に住んでいる。

 

 

それでは皆様、次回私の膝とは「ブラジル・日本人サンバダンサーの華麗な日常・闘膝痛気Ⅺ・経過報告編」でまたお会いしましょう。

 

 

番外編~ブラジルに住んでない・日本人サンバダンサーの華麗な日常⑧闘膝痛記Ⅶ最先端医療への道・APS(高濃度PRP)療法、いよいよ注射編

 

さて、今日APSの注射を打つと決まり、看護師さんに注射に必要な血を採ってもらう。

右手で二箇所刺されるも針が血管を捉えられず、選手交代ののち、左手に変えてやっと採血してもらうことができた。

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それを遠心分離器にかけたりの用意があるというのでまた待合室で待つことになった。

さらに1時間くらい待っていると、受付の方が申し訳なさそうに、注射は専門女医先生ではなくて膝名医先生がやることになったのだが、前の手術が長引いていてまだ結構時間がかかりそうだ、と言う。

あの正直で素晴らしい人格者としてご存知、天才美人再生医療専門家女医先生(中国語みてえ)がやってくれるのかと思ってはいたが、かなり遅くもなったし時間の都合などもあるのだろう。まあ膝名医先生であってもとりたてて不満は無い。

 

もう夕刻も過ぎ、ほとんど周りに誰もいなくなっていた。

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そういうこともあるさ。もう待つしかあるまい。

外では雷鳴が轟き、雨が降り始めたようだ。院内がやけに暗く感じた。

 

すっかり日が暮れてきた頃、やっとお呼びがかかった。

膝名医先生は私が本当に今日来るとは思っていなかったらしく、少し驚いたようだった。

注射をする前に、ブログに上げてもいいかと断ってAPS注射の写真を撮らせてもらう。

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この中に働くおじさんたちがやる気満々で蠢いているのかと思うと、なんか効きそうな気分になってくる。

さらに調子に乗って25万するという噂の精製キッド(使用済み・捨てるところだった)の写真撮影も頼んでみた。

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先生にも写っていただこうかと思ったのだが、腕だけ出演。

膝名医先生は、

「他の機械の写真も撮って良いよ、せっかく高いお金払ってるんだから、それくらいはねえ。他の患者さんとかにもこういう風に全部見せてやればいいんだよなあ~。」

とさすが膝名医と名高いだけあって太っ腹なことを仰り、精製する機械の方へ案内してくださった。

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機械1・正面 多分おじさん入り血液をぶん回しおじさんとそれ以外を分ける機械。それ以外って何だ。怖い。

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機械1・上面

 

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機械2と抗菌ケース的な何かか?

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機械2の操作説明と思われる

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機械2横、ケースの側面についていた説明文。機械1を使う時の手順ぽい。モビラートってなんだ。

 

写真撮影をサクッと終えたら、いよいよ注射のお時間だ。

膝に水が溜まっていると効き目が鈍るということで、腫れていた膝の水をまず抜いてもらう。

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安定の鮮やかなみりん色だ。

 

だがその注射がまあ痛い。すごく痛い。

膝の水は抜き慣れていたはずだし、ヒアルロン酸も注射器で入れ続けていたが、かつてそれほど痛みを感じた事は無かったので大して痛くないだろうと油断していた。

「ううぉ、うぉう…」と思わず声が出てしまう。

全て終わった後で先生が言うに、二回針を刺すより一度で済んだほうがよかろうと、膝の水を抜きそのまま同じ針先を活用して私の血液から精製したAPS液(おじさん液)を注射したので、太めの針を使用したのだという。

なるほど。だからあんなに痛かったのか。

思わずホッとして気が緩み、

「そうだったんですね~、よかった!先生は膝の名医だっていうのに、あまりに痛いんで腕が鈍ってんのかと思いましたよ~!!」

と、私としては親しみを込めた冗談のつもりだったのだが、いつもの調子でうっかりいらぬことを口走ってしまった。

サラリーマンなら会社で偉い人に余計なことを言ってしまい、北に飛ばされるタイプだ。

先生と看護師さんは一瞬戸惑ったのち、私がえへへと笑うと一緒に少し笑ってくれた。

大らかな先生で本当に良かった。

 

帰ろうとすると院内の主要なところ以外は電気が点いていなかった。

夜の病院とはこういうものかと思っていたが、激しい雷雨のせいでいつの間にか停電していたらしい。

そのトラブルもあって長く待たされたのだな、と合点する。

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約束していた友人たちと早く合流したいのに、駐車場のバーが停電のせいで上がらないまま、院内でもいろんな対応に追われているのだろう、人を呼んでもなかなか来てくれず、さらに車内で30分ほど待つ。写真奥に見えるのが病院。停電のため真っ暗だ。

 

一度家に帰り車を置いて友人たちの待つ地元の飲み屋へ向かった。

膝名医先生に特に何も言われなかったのだが去り際に一応、

「今日お酒飲んでも大丈夫ですか?」

と質問してみた。

『たくさんじゃなきゃいいけど。今日はまあ一杯くらいにしときなさいよ』

「わかりました。じゃあ二杯くらいにしておきます笑」

と言って、先生に苦笑されながら帰った。

 

 

 

 

 

実際は、三杯飲んだ。

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番外編~ブラジルに住んでない・日本人サンバダンサーの華麗な日常⑦闘膝痛記Ⅵ最先端医療への道・APS(高濃度PRP)療法、診察編2

ついに治療の日はやって来た。

だが朝目覚めた時、私は病院に行くつもりなどさらさらなかった。

一応の予約をした時に、いつまでにやると決めないとダメですか?もしキャンセルするとしたらいつまでに連絡すれば、、、?と問うも、

『あ~、いらないいらない。こっちも忙しいし、来なくても誰も気にしないから大丈夫。』

多分特殊対応だとは思われるが、膝名医先生はフランクにそうおっしゃった。

なのでお言葉に甘えてぶっちぎろうかと考えていたのだった。

しかし、週末に5回目のヒアルロン酸治療(5回でワンターン)も終えたのだが、ほとんど効果は感じられなかったし、他の施術においてもやはり同様だった。

さらに前々日に急遽浅草サンバカーニバルのお手伝いで(演者ではない。スタッフだ)駆り出され張り切って久々に動き回ったこともあり、治るどころか膝は腫れ、痛みは増していた。

昼過ぎとなり前日の酒がまだ若干残っているぼんやりした頭で考える。

ああ、そういえばもう来週には日本にいないんだなあ…。やり残したことないかなあ。。。つーか、え、マジ来週?え、え?もうそんなんなる?え!?ダメじゃん!膝、治ってないじゃん!そんで多分このままじゃ治んないじゃん!どーしよどーしよ!!…今何時だ…?お、予約した時間にはちょうど間に合いそうだな…とりあえず、、、行って、考えよう。うん、やっぱり専門だという先生に最後に話だけでもちゃんと聞いてみよう。

と、土壇場になって、咄嗟に病院に行ってみることに変更したのだ。

 

予約は入っていたものの、予想はしていたがかなり待たされた。

夕方から友人との予定が入っていたので、もしかしたら遅れるかもと断りを入れておく。

名前を呼ばれ診察室に入り、やっと再生医療の専門女医先生にお目にかかれた。

本当に美人だな、、、女医さんで、頭も良くて、若くて美人って、、、すげーな、人生で思い通りにいかない事なんてないんだろうな~。。。つーか、そんな人信用できるんだろうか。こんな何もかも持っているキミになぞ私の膝の気持ちはわかるまい。

 と、1億パーセントひがみだけでできている感情を抱きつつ診察に臨む。

まあ今日は話だけ聞こうと思ってきたんだし、いっか。話だけ話だけ。

実はまだこの治療をするかを迷っていることを告げると、専門女医先生は私の話に熱心に耳を傾け質問に答えながら非常にわかりやすく説明をしてくれた。

この治療で半月板損傷に効いたというデータもあること。水が溜まりやすい人には炎症や痛みが収まる可能性は高いこと。私のケースでは膝に痛みを感じているうちに脳のその伝達する部分が過剰に発達して痛みを余計に感じてしまうという現象が起こり慢性化につながっている恐れがあること。

やはりこの治療はデータが少なくそれぞれの体質や症状などにもよるので万人に治るとは言い切れないのだが、私の症状の場合は改善する可能性が高いと思われること。

ほう、やはり話は聞いてみるものだ。思ったよりも良くなる可能性は高そうじゃないか。

ただし、効いたとしてもその効果が長く続くかどうかはまだわかっていない、という。

『いや、実は私は踊りをやってまして、ただ、私が現役でやれるのももうそんなに長くないと思っているので、この数年だけでも…最後に、また思いっきり踊れるようにどうしても治したいんです。』

「そうなんですね、1,2年であれば効果が継続する可能性は高いです。。。踊りは、どういった踊りをされているんですか?」

『あ、サンバ、です。』

 

「ああ、どうりでお綺麗な方だと思った。」

 

繰り返そう。先生はこう仰った。

 

「ああ、どうりでお綺麗な方だと思った。」

 

「ああ、どうりでお綺麗な方だと思った。」

 

「ああ、どうりでお綺麗な方だと思った。」

 

ここは とても大事なところなので3回繰り返した。

 

この先生はなんて正直な方なんだろう。信用できる。人を見る目がある。ご自分のほうが若くてお美しいのに人を褒めるなんてとこも謙虚でなかなか見どころがあるし、コミュニケーション能力も申し分ない。その上頭も良くて優しく品がある。この先生なら施術の腕の方も間違いなく期待ができ、私の膝の気持ちのすべてがわかるだろう。前言なんて撤回だ。

 

気が付くと私はこう口走っていた。

 

『私、やっぱり今日、やります!』

 

 

2万本のうまい棒が飛んでいく。

 

番外編~ブラジルに住んでない・日本人サンバダンサーの華麗な日常⑥闘膝痛記Ⅴ最先端医療への道・再生医療、PRP(APS)療法を知ってるかい?

さて、最先端医療だ再生医療だと何度も言っているが、皆さんはあんまりピンときてはいまい。

では、いったいどんなものなのかここでひとつ一緒にお勉強しようじゃないか。

ここでは再生医療と言っても巷で良く聞くIPS細胞を使った移植手術などとは少し異なる。

整形外科の分野での再生医療PRP(APS)療法についてであることをご理解いただきたい。

 

※ここから難しい説明が続きます。ダルい方は下の点線まで読み飛ばしてください。後にやわらかくして説明します。

最先端である関節治療の再生医療PRP療法とは

〇PRPすなわちPlatelet Rich Plasma多血症版血漿という血小板を濃縮した血漿による治療のことである。自身の血液から抽出したPlatelet(血小板) Rich(豊富な) Plasma(血清)の抗炎症サイトカイン・修復(成長)因子を濃縮した溶液を関節注射し、組織修復を期待する。

〇APS療法というのはすなわちAuologous Protein Plasma=自己たんぱく質溶液という、自身の血液から抽出したPRPをさらに再精製し純度を高め、抗炎症サイトカイン・修復(成長)因子を濃縮した溶液を関節注射し、組織修復を期待する。効果はPRPよりも高い。

▼どちらも自己血液を用い自己修復機能で効果持続が期待できる関節治療である。

▼採血と注射で完了する低負担な治療。自分の血液からつくられるため拒否反応の心配がない。

(病院の説明文参考)

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※我こそはバカである、という方向けの説明はこちらから。

〇PRP療法とは

人には怪我をした時に自然に傷を治す能力がある。私たちの体内に超ちっちゃいミクロ工事現場のおっちゃんみたいなのがいっぱい住んでいて、私たちがケガをすると修復するため汗水たらして働いてくれてるので傷が治る、そういうシステムであると想像してみて欲しい。

私たちの血液中にいるそのおじさんたちごと抜いた血を特別な機械に入れてぶん回してやると不思議とおじさんたち大喜び。それによっておじさんたちのやる気は天井知らずに。そのやる気おじさんたちでパンパンになった汁だけを取り出し、それを問題のある関節に注射してやるのだ。たくさんのおじさんたちは身体に戻ると「この現場は酷いな、、、よし下がれ、ここは俺たちに任せとけ」と、ニッカポッカ(紫)をたなびかせ修復工事を頑張ってくれる。それで膝の修復が期待できる、というわけだ。

〇APS療法とは

PRP療法と似てる。でもさらに濃いい超やる気おじさん汁を作って膝に注射するからもっと効く。

▼どっちの療法も自分の血にある成分から成る真面目で人の好いおじさんを拉致して強壮剤を飲ませて馬車馬のように働かせる感じなので、関節の修復工事はうまくいき、かなり継続するはずだ。彼らがやがて力尽きるまでは。

▼1.血を採る2.膝に注射する、以上!という治療なので、身体が楽。それにもともと自分の一部であったおじさんたちであって、よそから来た知らんおじさんとかじゃないのでそれを関節に戻したとて、今までどおりみんなで平和に暮らしていける。自分とは違う成分からできているよそのおじさん入り注射をした場合、万一おじさん同士が仲良くできずすわ戦、となれば私たちの身体がバトル・フィールドになるので健康に支障(=拒否反応)がでることがある。なので安全。

(独自の理解による説明。多分だいたいあってる。)

 

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                  病院の説明資料より

 

本気でもっとご興味のある方にはもう自分でググれよとしか言って差し上げられない。

バカ向けのほうの説明を読んで逆にもっとわかりにくくなったという声も聞こえてきそうだが、まあ、おおまかなところはおわかりいただけ、おじさんの行く末だけがとても気がかりになっているところだと思う。

だが、病院の説明文を参考にさせていただいた、難しいほうの解説にちょいちょい「修復が期待される」というようなファジーな表現がされていたことにはお気づきだろうか?

期待外ればかりのハズレ人生を送ってきたこの身にこの表現はビターが過ぎる。

やったってどうせ私には効かないに違いないと思われた。

 10日後の治療の予約の日が近づいていたが、その頃にはその日に予定を入れてしまうくらいで、この再生医療はやっぱりやらない、とほとんどその心を決めて過ごしていた。

 

 

 

 

番外編~ブラジルに住んでない・日本人サンバダンサーの華麗な日常⑤闘膝痛記Ⅳ・最先端医療への道・診察編

お目当ての地元の病院に予約を打診すると、新規の上急ぎだと予約がすぐに取れないので、長時間待つことを覚悟して直接診療に行ったほうが話が早かろうと電話でアドバイスをいただけた。

翌日朝9時前に病院に到着したものの、受付にはすでに長蛇の列ができていた。

どいつもこいつも病人か。千葉で人気のこだわりつけ麺屋か。

さらに整形外科の待合室にも座れないくらい人で溢れかえっている。予約の人が優先という話なのでこれはもう腰を据えて待つしかない。

昼も過ぎ、午前の診察が終わりかけて待合室にいる人もまばらになった頃、やっと名前が呼ばれた。

どういう経緯で膝が痛くなったのかという問診の際にできるだけ詳細を語ろうとするも、その担当の先生は私の話が長くなりそうになると要点だけ話せと言わんばかりにイライラと遮った。

キミは長年連れ添った私の夫か。

その上僕は再生医療の専門じゃないので、専門の先生の日にまた来い、と言う。

待った甲斐もなにもありゃしない。

だがそこで、私の治療の選択肢は、今までと同じ1.保存療法、2.損傷した半月板ごと取ってしまう手術、3.再生医療の3つがある、と説明してくれた。

半月板なんてものは損傷している人は世の中にたくさんいて、ただ痛みを感じるかどうかは多分にその人による。何かの拍子に損傷した半月板が変なところに挟まったりすると痛んだり動かなくなったりするので、手術で取ってしまえば痛みは無くなるものらしい。また、自然に半月板の位置が勝手にずれて痛みが無くなるというケースもあるそうだ。そもそも全然痛くなくて半月板がなくなったことに気が付かずそのまま難なく動かし続けられる人も結構いるのだという。

しかも、なぜブラジルや他の国に膝のヒアルロン酸治療が広まらないのかと言えば、この治療は確かに一定の効果があるものなのだが、日本発祥の治療が世界中に広まっても某国の利益には1ドルたりとも繋がらないため、某国はせっせと“膝のヒアルロン酸治療には効果が無い”という論文を書いて潰しにかかってきているそうだ。

良く聞くような話だがやはりというか。恐るべし、※国。

私の夫先生は人の話を聞けないが頭はなかなか良いようで、話は分かりやすく業界裏話も興味深かった。

 保存療法では今と変わらないし、手術をすると3か月は激しい運動はできず、将来的に変形性膝関節症という膝の病気になる可能性が高くなる。ここでできる再生医療は注射一本の一回こっきりで、長い休養期間も必要ない。

やはりその治療に賭けたい。専門の先生に話だけでも聞いてみたい。

そんなわけで翌日またその病院を訪れた。

以前その病院で務めていた友人から“膝名医”と私も聞き及んでいたベテラン先生は、柔和でとてもフランクな方だった。

だがその先生も、関わってはいるが膝の再生医療専門ドストライクでは無いという。

確かに事前にチェックしていたHPでは、ド専門と紹介されていた先生は若くて綺麗な女の先生だった。

だがその先生は現在お盆休みなので週明け以降でないと診療できないという。がくり。

どうしよう。

もうブラジル行きはその週末に控えていた。

『この治療、効くか効かないかはなんとも言えないんだよ。最先端医療でそこまでデータも無いし。保険効かないからすっごい高いしね。今うちでできる治療は20万円のAPS療法ってやつで、PRPより濃いからもっと効くはずなんだけど、確実に治るかまではわからないんだよね。。。え?高いからまけてくれって?いや~、うちはね、精製キッドを自分の病院で作って無いから他のとこから買わないといけないのよ、それが25万。ね、全然病院の利益になってないの。それで自院キッドを使ってもっと安くやってる先生にいつも謝られるんだよね~、こんなに安くやってしまってすいませんって。』

病院で値切ったことをうっかり自らバラしてしまう形になったが、まあよい。

安くやっている病院とは私が予約をしようとして断念した行列のできる大学病院のことであった。

私の調べた範囲では、いろいろ製法や回数の違いなどはあるが、安いところでひと注射3~6万、高くて30万~だった。そんな10倍も値段が違うことなんてあるかいと高いところは地獄の悪徳病院と決めつけていたのだが、それぞれの病院で事情が違うのだということがわかる。

でもやはり高い。

確実に効くならともかく,効くか効かないかもわからない一回の注射だけで20万もするなんてあんまりだ。

 

20万あれば、うまい棒を2万本買える。

 

独自の“うまい棒算”を用いてすべての価値を計ろうとするのは、私の子供の頃からの悪い癖だった。

結局、悩んでも決心がつかず、

『じゃあ、もっと考えてやっぱり治療をやらないってなってもいいから、決心がついたらすぐ治療ができるよう準備はしておきましょうか』

と膝名医先生も言ってくださったので、さらに翌日治療に必須である事前の血液検査を行い、専門の先生もいる10日後に注射を打つ、と一応の日程を決めて帰った。

その治療を受けるためにブラジルに戻る日程を2週間ほど急遽ずらしたものの(飛行機の延期料を追加徴収されたが致し方ない)、さらにいろいろ情報を集めてみると、人や症状によっては全然効果が無いという話などもかなり耳にして弱気になり、なんか私には効かないかも、、、としょぼくれた。

2万本のうまい棒をドブに捨てることになるのもためらわれ、次第に再生医療への意欲は薄れて行った。

並行して進めていたヒアルロン酸治療やオステオパシーという治療をこの二週間続け、それで良くなる可能性に賭けよう、という方針に徐々に転換していったのだった。

 

 

 

 

 

番外編~ブラジルに住んでない・日本人サンバダンサーの華麗な日常④闘膝痛記Ⅲ最先端医療への道・出会い編

久しぶりに日本で会った友人は看護師であった。

ああ、その友人が整形外科とかに務めてて、それで膝の治療に詳しかったのか、、、と皆さんは思われたかもしれないが、そういうことではない。

彼女の専門が何科であったかもはや思い出せないが、予約してくれた飲み屋で膝の治療をしていると告白すると、「膝の治療大変だね、治ると良いねえ~」と、医者を紹介してくれるわけでも無く傍らで白ワインをガブガブ飲んでしまいには終電を数駅乗り過ごしてタクシーで帰るという実に私の友人らしい自慢の愛すべき(ダメ)人間であって、整形外科は専門外だった。

ただ、彼女本人はとても不本意らしかったが務め先で“総合病院一の美容番長”と呼ばれいじられつつ親しまれており、美容系の医療に異様に詳しかった。

興味もあったのでその手の話をいろいろ聞いたのがきっかけで、最近は美肌界には再生医療というものがあるということを知った。

シャケの何らかのエキスを注射針で顔に何か所もぶっさすと肌が活性化するという。しかも、そのシャケ汁注射は膝などに打つと膝が治ったりする治療と同じ原理である、というのだ。

おお!!そんなのが本当にあるのか!!ひょんなところから新しい知識を得て大興奮だ。

脳に飛沫を上げ海を渡り川を登る雄々しいシャケのビジュアルが浮かんだ。

川と海を股にかけるトリッキーさ、かつ川へ戻って来る義理堅いところからして、私もあいつは只者では無いと常日頃から睨んでいたのだ。

ぜひ今すぐその驚異のシャケパワーで私の膝を治して欲しい。

興奮しそう告げるも、美容用の注射を膝に打つとかはできない、そういう話じゃないのだ、とすげなく斬られた。

だが、希望の光が見えてきた。

何かそういう治療法があると知れただけでも大儲けだ。

それは野球の大谷選手が肘に打った注射と同じ、PRP注射というもので、本来はシャケ汁ではなくて自分の血液から採ったニンゲン汁を注射すると関節痛などが治る、という最先端医療であった。

 

嬉々としてそれについてネットなどで調べてみると、いくつかの病院で実際にその治療は行われていた。

まだ数はあまり無く、いろいろな方式があり値段も治療に要する期間もまちまちで、素人である私が調べきりそれがどういうものか要点を理解するまでにもかなりの日を要した。

もうブラジルに戻る日まで10日もなかった。もたもたしてはいられない。

わかりやすい解説がしてあり値段がお手頃であった大学病院に意を決して予約をしようとするも、どう予約できるのか具体的に記されていない。その科のHPの深いところまで調べ込んでみると、

2019年度末まで予約がいっぱいなので新規予約は受け付けられません。

というようなことが書いてあった。大人気過ぎる。ハワイ直営パンケーキ日本1号店か。

他の病院に問い合わせるも、血液を採った後注射を打つまで3週間以上要したり、日にちを空けて何度か注射を打たなければならなかったり、地方にあったり、金額がべらぼうに高かったりと、どれもこの一時帰国中でできそうにない。

そんな中、HPでは細かい情報まではわからなかったものの、家から車で15分ほどの距離にその治療をやっているという病院を見つけたので、とにかく藁にも縋る思いでそこを訪ねてみることにした。

 

 

 

番外編~ブラジルに住んでない・日本人サンバダンサーの華麗な日常③闘膝痛記Ⅱ

 さて日本に着いたはいいが、調子が良くない。

傷口は痛むし、心の傷も修復されず、いまいち全開バリバリで日本を満喫するというテンションになれなかった。

今回の帰国のメインイベントは、今度こそ日本で膝を治す、というものであった。

 

joe.hatenadiary.com

もうかれこれ2年以上も膝の痛みに悩まされていた。

膝を治すためなら、どんなことでもしよう。もはや手足を失うことすら厭わない。

そんな本末転倒なことさえ思うくらいの熱で去年通っていた病院に行き、ヒアルロン酸を膝に注射する治療をしてもらう。

ついでにちょうどいいからブラジルで手術をした時の股関節の糸をちょちょいと抜いてくれまいか、と頼んでみる。

本来ならブラジルで抜糸をしてからの帰国の予定だったが、(あいつのせいで)手術が延期になった関係上、期間的に全く無理だった。

一週間後くらいに日本で抜いてもらえ、と言われていたのだった。

足首のほうはまつり縫い状に縫われており自分でもイケそうだったので前日に友人夫妻の協力のもと、抜糸してもらった。

ちなみにその夫のほうは財布などを縫う器用な革職人だ。そんなには変わりあるめい。

股関節の方は縫い目が玉結びになっておりどうにもハサミが入らなかったのでいっちょ膝治療のついでに頼んでみることにした。

いきつけの整形外科の先生はちょっと変わった感じの方で、快諾して糸を取ってくれた後に、

『でもまだ糸が埋まって残ってるかもしれないけどね♡』

と冗談なのか本気なのかわからないことを言ってニンマリと笑った。

 

まあとにかくこの奇怪な膝先生を信じるしかない。

MRIを他の病院で撮り、半月板損傷であったことが判明するもやはり治療の方針は変わらなかった。

ヒアルロン酸を定期的に注入し、膝周りの筋肉を鍛えるというものだ。

他のクリニックにもMRIの写真を持って診療してもらったが、どこの病院に行っても治療の方針は同じだと思いますよ、と言われるばかりだった。

 

膝のヒアルロン酸治療は日本独自のもので、ブラジルで同じ治療をするのはできなかったのだが、筋力については自分でサンバやストレッチを教えたりバレエなど他の習い事もしているため、それなりにはあるつもりだった。

だが膝の件もあったので、この一年はもっと筋肉をつけようと“心弱き者たちの筋トレ部”というものを設立し、週3回の筋トレ活動に励んできた。

解説するとこの部は、ひとりではジムに通っていてもやる気が薄らいでくると「今日はなんか熱っぽい気がするからやーめとこ♡」と自分に言い訳をしてすぐ寝転んで肉まんとか食べてしまう心弱き者(私を筆頭に)を集めて「死ぬー!つらい~!やりたくないよ~!!」などと泣き叫び発散しながらも筋トレを地道に行う、という後ろ向きに見えて非常に前向きな部活動なのである。

<心弱き者たちの筋トレ部・部歌> 作詞・作曲 ミッキー吉野(うそ)

深~く刻まれたほうれ~い線  と~しには勝てない妙~齢の~

お~腹をへ~こませたいけ~れど  ひ~とり~じゃで~きないポンコツさ

 ※嗚~呼~~ わ~れら~

  わ~れらサンパウロ 筋~ト~レ部~~~♪  ※くり返し

まだ部の皆さまにも披露したことのない、以前から暖めていた本邦初公開の部歌である。音声で伝えられないのが残念だが、学校の校歌のような節でご唱和いただきたい。

 

と、このように、この1年は筋トレ部のおかげでかなり頑張った。なのにこれ以上筋トレを増やすのはもう私には無理だと心が折れかけた。

 

ヒアルロン酸を入れる治療を数週続けるも、以前一回目に水を抜いてもらった時のような手ごたえがまるでないのに刻一刻とブラジルに戻る日は迫ってくる。

整体院や半月板損傷を治すというはり灸院、謎のマンションの一室にある、手をいろんなところに当てるだけで治るというカイロプラクティックなど(これらは本当に友人が腰が治ったりと評判が良いところもあるのだが、短期間ではどうにもならない感じではあった)いろいろ行ってみるも良くなる気配が一向になく、私は困り果て焦っていた。

 

 と、そんな時、お互い10代の時に知り合いしばらく音信不通になっていたものの最近Facebookで再会した友人に十数年ぶりに会うこととなった。

 

彼女と会ったことで、私は膝の最先端医療というものの存在を知る。

 

 

 

番外編~ブラジルに住んでない・日本人サンバダンサーの華麗な日常②手術~旅立ち

日本一時帰国前に軽い手術をブラジルで行ったことは以前にも書いた。

joe.hatenadiary.com

軽い手術といっても足首と股関節のところにメスを入れて血管を引っこ抜くというもので、一日だが入院も必要であった。

一週間は手術後飛行機に乗ってはいけないということだったのに、あちらのミスで3日後に乗る羽目になってしまったのだった。(あらすじ♡)

 

私が車付きの移動ベッドで手術室に運ばれてきた時に久々会えた手術医は、

『君は、やりとげたー!!!(手術ができることになった、の意)』

とハイタッチをせんばかりのノリノリハイテンションで話しかけて来、

『やあ、元気かい?!』

と満面の笑みで張り切って挨拶をしてきた。

本来やり遂げるのはお前の役目だろうがよ。

『げんき、、、じゃない。』

と、手術着を着せられへんな帽子をかぶったまま横たわりそれだけを絞り出して答えると、手術医はちょっと口を歪ませしょっぱい顔をした。

自分のミスで手術日が延期になったというのに、なぜ私がヒャホーと陽気に応じると思えるのか。

 

手術台に乗せられ、下半身麻酔をされ、腰から下はテントのような布が張られているので今どんな状態なのかさっぱりわからない。

もう寝かされて小一時間は経っているだろうに医師が看護師たちと軽口を叩いたりしているのがたまに聞こえたので手術はまだ始まらないのかな、と思っていた。

私に手術中付くと手術前に紹介されていた看護師がテントからひょっこり顔を出して、

『念のため今からおしめをするからね』

と断ってきた。

おしめか!!

手術はどうやら終わったらしい。

下半身の感覚は無かったが、辛うじておしりの上あたりにおしめをされている感覚があった。

ちなみに、手術着の下は紙パンツ一枚履いてなどいない。

別にいいのだが、ちょっと気になったのは、私付きの看護師は頭をスキンヘッドにしたブラック系の筋肉隆々マッチョ兄さんだったということだ。

股関節も切ったし、内腿の血管を抜いたので、私の脚はずっと御開帳状態だったと思われる。

その横で手術しながら談笑とかすんな。

仕上げには屈強な男性による初めてのおむつプレイ。

別にいいんだけどさあ。

いいんだけど、せめてそこくらいは女性にするとかいう気遣いはできないかね?

やっぱりブラジリアンワックスをやっておいて良かった~!とか、いや、本当に良かったのか?自分しっかりしろ、とかおしめとか複雑な感情が入り乱れもうどうにでもなれ、といった気持ち(やけくそ♡)で手術室を後にした。

 

翌日は午前中に退院して良いということだったのに、医者が説明に来るのでそれを待って退院になる、と言われる。

そして、もちろん待てど暮らせど来やしない。

はい案の定、もうベッドを明け渡さないといけない時間になって、やっぱり医者は来ないのでもう帰って良いという。

術後の心得など何も聞いていないので、慌てて看護師さんに説明を頼むと、しばらくは安静に、2分以上立ってはいけない、シャワーすらも椅子に座ってしろ、と言われる。

 

ねえねえ2分以上立っちゃいけなくて、どうやって3日後日本まで行くの??

 

日本行きを延期しようかと考えもしたが、調べると800ドル以上の延期料金が必要だった。もちろんそんなの病院が持ってくれはしない。さらに、私の日本での貴重なお休みが削られてしまう。仕事の休みの調節だって大変じゃないか。なんであいつらのミスのせいで私が小さいとは言えない不利益を被らなければいけないのか。

 

結局、病院に迎えに来てくれたシビアな日系人の友人(話をしている間に興奮し、病院訴えたろか、と鼻息を荒くしている私に向かい、訴えてもお金だけがかかって面倒でしかもどうにもならないよ。もっと損するだけ、と軽くしめられしょんぼりした後)に航空会社に車いすを用意してもらうことを勧められ、結局お願いすることになった。

 

老人でも明らかな怪我人風でもないのに車いすを使うのは申し訳なかったが、重い荷物も持てないので空港に向かうのには急遽最弱の弟(本当に良いやつ涙)

joe.hatenadiary.com

に付き添いを頼み、なんとか無事に日本へ出発することができた。

車いすの人に対するサービスが思ったよりも手厚くて、航空会社さんや働く人たちの配慮も有難くて、私が知らなかったところで弱者にやさしくする取り組みを世界的にみんなで当たり前に行っていたんだな、世界って偉いな、と世界にちょっと好感を持ったが、それでも私のブラジルに対しての傷ついた心はまだ癒されることはなかった。

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番外編~ブラジルに住んでない・日本人サンバダンサーの華麗な日常①

本日は番外編として、ついこの間私が日本へ一時帰国した時のことに触れたいと思う。

“日本にいる日本人サンバダンサー”、という、それまあまあいっぱいいる!!という、ブラジルに住んでいるという唯一の売りさえ失くし両翼もがれた状態での、しかもご存知、相も変わらず全く華麗では無い日々を綴る番外日本編である。

だが、なかなか興味深い体験もしたので、ブラジルやサンバ関係なくそれについて情報を欲している方に向けても一筆執ってみようと思う。

なお、今回は帰国した際に数名の友人に、

『おまえのブログは面白いけど、長くて最後まで読めない。』

と、長い文章を読むことができない集中力の無さと自分のバカを棚に上げて指摘されてしまった。

私の統計上、そういうことを言ってくる友人はおしなべて頭の悪そうな顔をしていて実際おつむも残念なアレどもで、一方、学があり賢い友人たちは全然長くないよ、もっともっと!って感じ!などと褒めてくれていた。

執拗で冗長なところにこそ私のブログの真の魅力があるというのに、ちょっとした文章すら読むことができない多数のバカを友人に持ってしまっていることが悔やまれるが、しょーがないのでやつらのために今回は実験的に少しづつ更新してみようと思う。

 そのバカの総大将である友人(男)が

『おめーはブログなんつーもん書いてんだからよ、たくさんの人に読んでもらうためにはよ、世の中いろんな人がいんだから、俺たちみてえなバカにも読みやすいように伝わるように書かなきゃだめじゃねーかよ。』

と、バカのくせになかなか的確なことを言う。バカはバカなりにいろいろ考えているのだ。

 

『せっかく面白い体験してひとりで10年もブラジルでやってんだからよ。大変だろうけどよ。また帰って来いよ、また飲もうな、頑張れよ。』

 

私の友人たちは、バカなくせして、優しい。

 

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ブラジルで手術!

数日前、ブラジルで手術をする手筈とあいなっていた。

 

私は昔っからひどく脚がむくむくにむくみやすく、脚の疲れ感もひどいので、何か健康的な問題があるのかもしれないと気に病んでいた。

ここ1年くらいでそれがひどくなって痛みがあり、脚の血管が尋常でないくらいボコボコと浮き上がって来てしまっていたので気になって、ここブラジルで病院に罹ってみることにした。

私の数少ないつてを辿っていろんな人に話を聞いたり、自ら調べたりしてもなかなかそれに特化した良い医者を紹介してもらうことは難しく、勧めてもらったひとつの、現在最近のブラジルで手広く展開している早い・うまい・安い、との牛丼屋ばりに最近定評のある診療所を訪ねてみた。

まず何週間かかけていろんな検査をし、とりたててすぐに命に別状のある類のものでは無いが、なるべく早いうちに手術をすることに越したことは無い、という診断を受けたので、手術をやってみようと覚悟を決めたのであった。

 

激しい運動は一ヶ月くらいは厳禁だということだったので、仕事を休ませてもらうようにとかの手配を事前にいろいろ考えた末やりくりをしてこの手術の日に臨んだのだ。

股関節のとこをちょっと切ったりしないといけないという話だったので、手術の切り口に万が一変な毛が入り込んで手術の邪魔をしたりしないようにと、私にしては万端にブラジリアンワックス脱毛までして来たる日に備えるという完璧なありさまで、全くもって準備に余念がなかった。

 

数週間前に直接主治医と手術日と手術を実際にする病院を確定し、2日前には診療所を通しての手術予約確認の連絡も受け、8時間前から何も食べてはいけないとの決まりも尊守し、緊張しながら当日、手術日を迎えたのだった。

 

だが、いざ病院に着いてみると、手術の手配がされていないのでおとといきやがれ☆、とあしらわれた。

 

でーたーブーラージーーール。 

 

 繰り返すが2日前には手術の確認の電話も受けていたし、支払い済みの書類を提示し、そんなはずはないとなんとか食い下がって予約などを管理する事務所に通してもらうと、

数日前にもドクターに予約を確認しているのに何の返答もなかったので予約が取れていない、今できるだけは聞いてみたがやはりもう今日の今日では手術室も麻酔の先生の手配もひとつの空きも無いため不可能なので、他の日に予約をし直してまた出直して来い、と言うのだ。

おまえはもうここに居る意味は無いからと事務所からも追い払われ、とにかく診察を受けた診療所と話せとの一点張りだ。

その診療所と連絡を取ると、手術をする病院の手違いなのでどうしようもない、と言われ、手術をするために今ここにいる病院側は診療所側の不手際のせいだ、と断固として誰も間違いを認めない。

 

一体誰のせいでこんなことになったのだ??と双方に問い詰めるもそこだけは『あれ?なんか急に誰にも私の声が聞こなくなっちゃったのかな?』と一瞬疑ってしまうほどサラっと聞き流され、とにかく他の日に手術をする日程を決めるのがあなたにできる唯一のことなのだから他に方法は無い、早くしろ、と双方より急かされる。

 

こちとら頼れる人もいない慣れない外国で不測の事態(しかも明らかにあちら側のミスだ)に孤軍奮闘しているというのに、こんなのはあんまりな仕打ちだ。

 

流暢とは言えないポルトガル語で抵抗を試みていたものも、これ、いつものブラジルのやつだな、、、と心の奥底では既に絶望感でいっぱいだった。

 

何度か病院の人と話し、診療所の人とやりとりをし、とにかく3日後には予約を取れるように手配をしてあげられるのだからむしろ貴方はラッキーだ☆、くらいのことで、私の今日に向けての準備で失った時間や仕事を休んで失った賃金においての保障、何より私の傷ついた心のケアにおいて誰もひとつも欲しい言葉を投げかけてくれはしない。


数時間押し問答を繰り返し、諦め疲れ果てて泣きながら帰路のタクシーに乗り込んだ。

 


こんな時は酒だ酒だ。誰か速攻で良く効くテキーラ持ってこーーーい

 


堪えきれず、帰りのタクシーの運ちゃんに、あなたには何も関係も無い話なのだがちょっと聞いてはくれないか、と話しかけてみた。

私がすぐ先ほどに起こった事を語るに、もちろんいいよ!と聞いてくれた親しみやすいその頭頂がザビったおじさんは、キリスト教の敬虔な信者であるようで、

『残念ながら、日本とは違って、ブラジルではそんなことは日常茶飯事なんだよね。僕はこの病院の偉い人も良く知ってるし、この病院はいい病院なんだけどね、、、でもいっぱい従業員もいるからさ、いい病院だって、少しは間違えたりするダメなやつだっているかもしれないからね。。。

そんな時、僕はいつもこう思うんだ。

例えば何かの不手際で飛行機に乗り遅れたとする。

その時は悲しいね?

でも、するとその君の乗り遅れた飛行機が落ちてしまってもし乗れていたら死んでしまっていた、っていうことだってある。

何事も人生万事塞翁が馬。

君がもし今日予定通り手術をしていたら、実はまだ君のコンディションが整っていなかったり、オペのミスで命を落としていたかもしれない。

そう考えたら、そんな偶然はすべて君が良い方向へ進む思し召しなんだよ。

だって、神様は世界の全部を見ているのだから。』

と、啓蒙活動をされてしまった。

 


 本当に世界がそうだったら良いよね。

 


なかなか含蓄のあるお言葉であったが、そう簡単に改宗することは今の私には出来かねた。 

現在心が荒廃しきっている私には正直ポジティブシンキングすぎるようにように思えた。

つーか、ただのあっちのミスじゃん。

こんなことがブラジルにおいては大小含めて月に一回以上起こりうるので、私としてはどうにも理不尽としか思えず、つーか、とりあえず謝れよ、という感情しか浮かび上がって来ない。

 

こんなときのブラジル人の友人、と思いこんなことがあったので話を聞いてくれと連絡をするも、もうそんなんこっちでは文句を言ったってどうしようもないからすべての記憶を失い速やかに次回の予約を取ったほうが良い、と助言された。

すんごく高い保険に入っていたり、超ド級の高級病院に罹ったのであったらいずしらず、普通の病院では受け入れるしかないのがブラジルの現状なんだと。

金がある人は待ち時間も無く何か月待ちのところでもすぐに優先され、貧乏人は公共の病院で死ぬほど待たされ、(私は一応私立の病院で支払いも既に済ませていたというのに)運が悪ければ別にそのまま死ぬ、というのがブラジルなのだ、というシビアな現実を追い打ちかけて言い募る。

 

今日はもー、そういうの、いい(泣)。

 

そんなんも聞いて、結局すごすごと3日後の手術を予約することに決めた。

あなたの連絡が遅いので手術は2、3か月になるとかも言われかねないから、やはり、むしろラッキーだよ☆とご友人はおっしゃった。

この日本に比べて過酷な状況がそうさせるのかもしれないが、ブラジル人にはポジティブな考えを持つ人が多いのではないかと思う。

どうしたらそんなにポジティブでいられるの?と質問したら、うーん、生まれつきかな!と電話口で快活に笑った。

自信満々に発表させていただくが、こちとら生まれつきすこぶる前のめりにネガティブなタイプなのだ。そんなのどうしようもねえ。

その日はもうそれ以上何も考えたくなくて、家に着いて酒をかっくらって文字通り泣き寝入りした。

 

私にとって久々のビックウエーブであったブラジルの洗礼からまだ完全に立ち直れていないのだが、実はこれを書いている今日現在は、すでに延期された手術は2日前に一応無事済んでいる。

 

それは良かったのだがこの話の肝はそこでは無く、実は明日、私は日本への一時帰国を控えているというところなのだ。 

10日、、、いや術後ギリでも1週間は危険なので飛行機に乗ってはいけない、と医者に言われたのでさんざ相談した挙句休める期間と照らし合わせて手術の日程を決めたのに、あちらの不手際で手術の延期が決まったとたんにその医者は、3日後の飛行機に乗っても大丈夫だお☆と請け負った。

 

 

ブ、ブラジルに、、、殺される。。。

 

 

と、云う訳で、絶対に早く明日の準備をして寝たほうがいいに決まっているのだが、不安も相まって興奮して眠れないので、せめて死ぬ前にと恨みつらみをここに書き記してみている。

 

 

本人は、結構本気で言っている。

 

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淫靡な、夢を見た。

淫靡な夢を見た。

 

それはしこたま酔っぱらった私が車の後部座席で眠っていると、前の座席でブラジル人女性が男性の上に乗って歓楽の声を上げて上下に激しく揺れている、という破廉恥なものだった。

 

             

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数年前のちょうど今くらいの季節、私はサンパウロのあるサンバチームの昼からやっているフェイジョアーダ会を訪れた。

こちらではたまに開催される、チーム主催のサンバの生演奏などを聴きながらブラジルの国民食を食してみんなで飲んで踊ったり歌ったりわいわいと楽しむフェスタである。

その土曜日にそういう会があるとの情報を耳にしたので、カーニバルにはほど遠いオフのシーズンでサンバに少し飢えていたし、特に友達を誘うわけでも無くふらっと訪ねてみることにした。

ひとりではちょっと間が持たなくてつまらないこともあるのだが、直前に約束を破られることにドキドキしながらブラジル人を誘うのもめんどくさいこともあって、気力があり興が乗った時はひとりでそういった場に出かけることもある。

なあに、そこで誰かと友達になればいいさ。

着いたはじめはやはり気おくれしてしまい、端っこでひとりビールを何杯もおかわりして勢いをつける。

そのうち程よく酔っぱらってきたので、近くにいるおばさんに話しかけられたりバーの人と話したりしているうちにまんまとブラジル人のグループに紹介され、こっちで一緒に飲もうと声をかけてもらった。しめしめだ。

 

そのグループには他のチームのサンバの踊り手をしているという、身体にフィットした服を着た素晴らしいスタイルを持つ美人さんな褐色のお姉ちゃん2名ほどと私の好物である明るくファニーなゲイが数人という私にとってちょうどいい感じのグループで、酔って調子に乗ってギャグをぶちかましファンキ芸など披露しているうちにすっかり仲良く打ち解けることができた。

『ねえ、夜には私の彼氏も合流するからあなたも一緒にみんなでクラブに遊びに行こうよ!』

その、詳しく聞くと私も知っているサンパウロの有名チームで踊り手のリーダーをやっているというひとりの褐色のお姉ちゃんが私をぐいぐいと誘ってくれた。

ちょっと疲れていたし遠い場所であったので迷ったが、彼女の家と決して近くは無い私の家まで送り迎えをしてくれるという。

クラブが盛り上がるのは夜中なので、一旦それぞれ家に帰って繰り出そうということだった。

派手な外見のブラジル人のサンバの踊り子の女の子が日本人の私とそこまで仲良くしたがってくれるのはわりと珍しかったので、私も嬉しく思い、かなり酔っぱらっていたのだがせっかくの縁だと思い誘いに乗ることにした。

ブラジル人にその場では執拗に誘われたもののいざとなるとやっぱり連絡すら来ない、という苦い経験が私には腐るほどあるので、あまり期待しないようにしながらも家で待機していたのだが、なんと時間どおりに彼女は迎えに来てくれた。

こんなことでと日本の皆さんは思われるかもしれないが、私は本当に感激した。

こっちで出会ったばかりで送り迎えまでしてくれて時間通りに来てくれるサンバの女子なんてそうそういない。

まだ酒も抜けきらず眠くて仕方なかったが、この出会いを大切にしようと嬉々として車に乗り込んだ。本当に感動でちょっと涙が出てくるくらいだった。

 

合流した彼氏が運転する車に乗り挨拶を交わし30分以上は車に揺られただろうか。

その彼氏がけっこうな“顔”であるから無料で入れるという触れ込みのクラブに着いたものの、女性とその“顔”である彼氏さん以外の男性、ゲイの皆さんはすぐには無料で入れないのでもう少しの時間待たないといけない、と言う。

景気の良い事を言われ誘われたもののブラジルではそんなくらい良くあることなので、待つ間はじめはゲイの皆さんともども愉快にはしゃいでいた私であったが、昼過ぎから飲んだくれていたため待ちくたびれておねむになってしまった。

まだもう少し待たなければいけないということでとうとう耐え切れなくなり、皆で入れるまで少し車で寝かせてもらってもいいか、と頼んで車で即寝でしばし爆睡させてもらった。

 

その際に冒頭での変な夢を見てしまったらしい。

 

あらいやだ。お恥ずかしい。欲求不満かしら。

 

気が付いた時には、もう入れるよー、と車に呼びに来られ、外寝のそんな短い間に卑猥な夢を見ていたことがちょっと恥ずかしく、悟られないように頬を赤らめながら皆でクラブに入場する。

 

私はひどく酔っぱらうと一時堪えられないほど眠くなる瞬間があるのだが、少し休んでそれを超えるとだいたいはまた元気に復活できるタイプだ。

 

誘ってくれた娘は、私に大丈夫?と気遣いを良くしてくれ、飲み物を買う時にせめてものお礼と思って私が払おうとするのだが、断固として私に支払わせようとしない。

ブラジルではさんざ小銭をしらっとせびられることも多いので、彼女の私におもてなしをしたいという精神がとても嬉しくてまた泣けてくる。

よっしゃ、それなら私ももう少しがんばるぞと気合も入り、その後は皆でまた飲んで踊って楽しい時間を過ごすことができた。

 

さあもう帰ろうということになり、私は車の後部座席に乗り込んだ。

送ってくれる関係上の配車であるのかその彼氏の車で彼女と3人になった。

当然彼女は助手席に乗るだろうと思っていたら、私の隣の後部座席に乗り込んできた。

私に気を遣う必要は無いから、彼の隣に座りなよ、と恐縮して言うと、いいのいいの、大丈夫よ!とウインクしてくる。

ああ、私が帰り道で後部座席にひとりではつまらないだろうと隣に座ってくれたのだな、なんていい娘さんなんだろう。

ブラジル女子にこんなに大事にされることはあまり無かったので、こんな子が(サンバ界)、ブラジル人もいるのだなあ、とひたすら感動していた。

 

彼女は相当酔っぱらっており、後部座席に座ってすぐに私にしなだれかかってくる。

ん?

まあ、彼女も昼から飲んでいるのだし、そりゃあ酔っぱらってるに違いない。

しなだれかかり、私の腕やら太ももを撫でまわす彼女。

ん?ん?

あなたの肌って、ずいぶんすべすべしてるのね。。。

ん?ん?ん?

胸も結構あるし。。。

ん?ん?ん?ん???

胸をタッチされつつも彼女は本当に酔っぱらっててふざけているんだなあ~と、あなたもボインだよね~!なんて言ってボリュームに満ちたその胸をキャッキャと触り返してみたものの、はじめは気のせいかと思ったがその向こうの触り方ががなんというか、どうにも変にセクシャルな感じがするのが否めない。

ブラジルの娘さんたちは何気なしに色っぽい方も多いし、女子でありながら深夜AMラジオヘビーリスナーの童貞クソメンのようにドギマギしてしまう自分の自意識メンタリティーが過剰であると判断して、居たたまれなくなりひとまず落ち着いて場を持たせようとバッグから飴ちゃんを出して、これいる?と勧めてみる。

ああ、ありがとう、と彼女は私の差し出した飴ちゃんの皮を剥き、口の中でひとなめ転がすと、口紅で紅く縁取られたぶ厚い唇から出したその舌にのせてこともあろうに彼女からのダイレクトな口移しで私にそれを舐めるように迫ってくる。

ん?ん?ん?ん?ん~~~~~~~???????!

非常に混乱し、

ア、アハ、、アハハ、、、もう、酔っぱらってるね~!?いくらふざけてるっていっても、彼氏が焼きもち焼いちゃうかもよ~~?(笑)

と運転席している彼に助けを求めて振ってみる。

彼はたまににやにやした様子でちらちらこっちの様子を見ていたのだが、ふいに真顔になって、

僕はそれをぜひ見たい。つーか二人でやったらいいじゃん。そしてその後三人でしようよ。

と、妙に真っすぐな瞳できっぱりと言った。。

 

 

ぎゃー!おかーさーーーーーん!!

 

 

とっさに目に浮かんだのは故郷埼玉県在住の母の顔。

 

セクシャルに感じた彼女の態度は決して気のせいでは無かったのだ。

 

彼女はやる気になれば女もイケる口だということを公表し、彼もそれに参加するのはやぶさかではなく、むしろ参加に非常に前向きである旨を私に告げた。

 

や、やられる。。。

 

そしてその瞬間にあの冒頭の夢であったはずの光景がフラッシュバックした。まさか現実では無いと、酷く酔っぱらっていたせいで出し抜けに淫靡な夢を見てしまった、と思い込んでいた夢が夢では無かったことに今さらながら気が付いた。

私が後部座席で寝ていた際に見た夢だと思っていたことは、まごうことなき現実であったのだ。

私に見られようが、“覗き上等、夜露死苦”という勢いで彼らはいたしていたのだっだ。

 

ヤバい、、、絶対に、、、これは、、、やられる。。。

 

瞬時に車外の風景を見回し、割と大通り沿いを走っていることを確認した。信号待ちの間や、夜中でもまだ開いているバーなどの側で最悪はいつでも飛び降りれるように車のドアのロックをこっそり開けてドアに手をかけておく。

 

冷や汗をかきながらも、畳み掛けるように説得にかかる彼女らの口撃をかわし、冗談と受け取った風を装い、下手に刺激しないように笑って私はそこまで性的にフリーダムなタイプではないことをアピールしながら、なんとか無事家まで送り届けてもらえることができた。

 必死のパッチで、『私の性の対象は男性なのだ!』と訴えても、「ここに男性もいるじゃない。」と彼氏を指さしてOKサインを作る。

彼氏もにっこりと「そう、僕は男だから何も問題はないさ!」と、どーんと胸を叩いて見せる。

 

…そういうことじゃない!

 

男性と二人ならばもっと警戒していたかもしれないが、まさかこんなことになるなんて想像だにしていなかった。

 

最後までそのカップルは残念そうに、その気になったらこちらはいつでも受け入れるからね~!と言ってきたので、あ、あはは~、ありがとう、と笑顔を尽くして言って別れた。

 

いろいろ過剰すぎて一体何からツッコんだらいいかわからなかったが、

ざっと挙げるだけでも、

①外国人の

③同性の女の子と

②知り合ったその日に

④その彼氏と三人で

とは、①~④のどれか一つだけをとっても、一生くぐることも無いままで死ぬ方も多いだろう上級者向けの高き門ではあるまいか。

一撃で私の性のレベルがうなぎのぼりに爆上げされてしまいそうすぎる。

そんなアダルトの階段を一気に駆けあがってしまった日には、急に翌日から私のみんなの前でふとした時に見せる横顔も、やけに大人びたものとなってしまうだろう。

 

本当にびっくらこいてしまい、その後は寂しいよ~遊ぼう~、と彼女から数回連絡が来たものの、一回ショーをやる仕事で呼んだきり、遊びに行くことはしていない。

そのショーの時も他の出演者にもとっても気遣いをしてくれて非常に良いパーソナリティーを持っていた子だと感じたので、あの出来事は特に悪気があったわけでも無く、それぞれの性に対するキャパと方向性の違いであったのだろう、と今は思われる。

だがOKサインと誤解されてしまうのもなんなっだったので、自分から個人的に声をかけることはしづらかった。

彼女はしばらく所属チームの踊り子のリーダーをやっていたようだが、数年が経った今そのチームに所属しているという子に聞いてみたところ、もうその役からは降りてしまったようで、その後の彼女の消息はつかめていない。

彼氏、と言っていた運転してくれた彼は実は既婚者だった、みたいな話で、そのじぶん彼女もいろいろうまくいかず今は自暴自棄気味なのだ、などと私に自分語りをしていた。

そんなのもったいないくらい充分美人で魅力的だし優しい子なのに、その時は何か寂しそうで、良くは知らないが悩んでいる様子であった。

いろんな性癖(犯罪は除く)が多様であっても合意であったり誰かに迷惑さえかけなければ良いとは思うのだが、彼女はその時ちょっと男に疲れたとかとも言ってたし、どうも生粋のバイとかレズという感じもしなかった。

 

そんなの私には本当にはわかんないけどさ。

 

彼女は酔っぱらって寂しかったり彼の気を引きたかったのかもなあ、とか、そんなことを、今年の冬のサンパウロで、ちょっと思い返したりもしてみている。

別に私を道路に放置したり、無理やり犯されたりしたわけでも無いから、びっくりはしたけど、彼女が今も元気であれば、まあ、いいんだけどね。