ブラジル・日本人サンバダンサーの華麗な日常

ブラジルに住む日本人サンバダンサーの全く華麗ではない日々

新しい家へ・サンパウロ

ゲイハウスを見に行った1週間後、私の部屋探しは遂に終結した。

 

 

他のところを見に行ったりもしつつ、一度目の訪問から5日ほど後に気になっていたその家を日系人の友人を付き添いにもう一度訪ねさせてもらった。

 

契約上の細かい点においてポルトガル語に多少の不安があったし、ひとりで訪ねての口約束では後で話が違ってしまう可能性もある。

住人たちに好感は持っていたものの、何が起こるかわからないのがここブラジルだ。

彼らが私が住むと決めた途端人格が豹変する可能性だって無いとは言えない。

ネイティブの友人を連れていけば向こうも適当なことを言って騙したりすることはできないだろう。

疑い深いようだがブラジルではこのくらいで丁度よい。

それに長くブラジルにいてもよい環境かどうかや人柄について数回見知っただけでは正確に判別できないこともあるので、そこらへんの判断も彼女に委ね意見を請いたかった。

 

友人の運転するスクーターの後ろから降りて門を開けてもらう。

家主のレオに迎え入れられ家に入ると、また男どもが3人雁首をそろえている。

今回は夜の訪問だったのだがそれにしてもと質問してみると間借りしているメキシコ人のセバスチャンは仕事が早く終わってたまたま家にいただけで、カップル二人は今お休み中、レオは転職したばかりとのことで来週から仕事が始まるその合間だという。

いろいろと質問をしながら軽く談笑し、値段や詳細を確認する。

家はところどころ壊れたまま放置しているような部分もあるし、上手とは言えない素人丸出しの絵が壁に描かれたりしているが、トータルで見たところ私にとってやはり暮らしやすそうだ。

他にも家を見に来た人はいるがあまり気に入らないので君が住みたいと言うなら優先したい。ただし来週の木曜日までに決めて手付け金を振り込みして欲しい、ということだった。

ライバルを出現させ煽ってくるあたり、優しそうな顔をしてレオもなかなかうまい。

30分ほどしたところで木曜日までには決めて連絡をする、と言い置いてその場を後にした。

実は近くでもう一軒女子2人が住んでいる家を訪れる約束をしていたのだ。

初見の家であるが、ついでに友人にもついてきてもらった。

そこでは金髪で若くも年寄りでもないちょっと鼻が上を向いた女性が対応してくれた。

レオの家と比べると駅から半分くらいの距離で、なかなか良い場所にあった。

だが、家賃が同じ値段なのに例の3畳くらいの女中部屋なのだった。

8年間ブラジルでガラクタをため込んでいる私の荷物が全部入りきるとは思えず、今回は私にしてはかなり奮発してより良い環境を求めているというのに窓の無い3畳の部屋に住むという選択肢もありえず、残念だが吟味する余地も無い。

 

2つの家を見に行った後、友人の意見を聞いてみた。総合すると、

まずレオのマンションの前に大きい警察署があったでしょ?あれは安心でいいよね。そんで会話の中でレオはずっと高校までドイツ系の学校に通ってたって言ってたじゃん?ドイツ系の学校ってこっちではすごく学費が高いからお金持ちじゃないと絶対に通えないしそれにピアノ弾いてくれたときすごくうまかったよね?(なぜかレオは調子にに乗ってピアノの腕を披露してくれた)あの家は今はどうかは知らないけど昔はお金持ちで彼は相当良い教育をされて育った人だと思う。人柄も良さそうだし、場所も安全そうで便利だし、私はあそこはいいと思う。

普段面倒見が良くお人よしの友人なのであるが、さすが生き馬の目を抜くブラジルで生まれ育っただけあって観察力に抜け目がない。

私もレオを初めて見た時に品の良い人だという印象を受けた。ブラジルではお金持ちで良い教育を受けている人のほうが誠実でまともに話ができる割合も高いので(でも全部そうだと思ったら大間違いだけどね♡)、差別するわけではないがこういう情報も大切なのだ。

それに言われるまで気が付かなかったが通りを挟んだところに警察署が確かにある。その横にバス停、目の前はタクシー乗り場、左真横には小さいバール(何か飲んだり軽食を食べたりできる)、お菓子屋さん、バンカ(キオスクとも言う、日本の駅にあるまさにキオスクのようにいろいろこまごまとしたもの売っている通りにある店)、ロテリア(宝くじ売り場のようなものだが、同時にいろいろな公共料金の支払いなどもできる)が続き、その通り沿いの角には24時間のパン屋その向かいにこれまた24時間の薬局が、角を下ってすぐにスーパーマーケットがあってさらに銀行、ピザ屋、レストランなどさまざまな店が並んでいる。駅からさえ遠くなければ完璧と言って良いくらいのラインナップだ。

 

次に見に行った家については、

まずは狭いし、大家の彼女はなんか気が強そうだったよね?お風呂があるってあなたが喜んでたときに(ブラジルではシャワーだけで風呂がある家はそう多くは無い)良いでしょ、なんて言ってたけど、水道代がかさむから使うな、とか後で言ってきそうなタイプ。少なくとも私は好きじゃない。それに、女はうるさいよ~?女でそううるさくないのはレズくらいだよ~?

などと言ってくる。大家の彼女はそれなりに感じよく対応しようとしてはいたのだろうが、あまり良い印象は受けなかった。キレられたわけでもなんでもないのだが、ちょっとヒステリックなポテンシャルを秘めているような感じすらした。

 

 

翌日、最後のダメ押しでさらに数軒見に行くことにしていた。

一軒は件の地獄坂だが返事は来ず(ケイティめ。)もう一軒は女子これまた2名で住んでいるところに私が入る形のパジャマパーティーチャンスだったのだが、Whats´appの写真が猛烈にギャルっぽく、何度か急遽時間や日にちを変更したいと連絡してきてしかもその電話の時にずっとガムか何かを噛みながら話してくるのがものすごく感じが悪くついでに頭も悪そうだったので、結局その家を訪ねることはしなかった。

 

引っ越しの期限も目前に迫っているし、友人も勧めてくれたし、やっぱりここに決めよう。

 

本当は私、わかってた。出会ったその日から。

あなただけを、愛しているって。

だけど、そう、自分に自信がなかったの。。。

だから、気持ちを試したりしたの、ごめんなさい。。。(BGMケンカをやめて)

 

確かに女子ばかりの家は住人にもよるのだろうが口うるさそうだった。

男所帯でもレオの家には2週間に1度掃除が入るというし、家が新しく綺麗でもうるさくがみがみ言われそうなところより、大ざっぱでちょっとくらい汚しても怒られないようなところのほうが私ものびのびと暮らしやすいだろう。

 

そういった経緯で、私はレオの家の住人となった。

最後に軽く新しい家の住人達を紹介しよう。

 

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 手前左 セバスチャン(メキシコ)、中央 ファビオ(レオの恋人)、右 レオ(大家)