ブラジル・日本人サンバダンサーの華麗な日常

ブラジルに住む日本人サンバダンサーの全く華麗ではない日々

ゲイ男子との暮らしinブラジルーさよならシャンギットー

最近、毎日泣き暮らしている。

 

私がここブラジルでゲイ男子たちと共同生活を送っていることは以前にも書いた。

大家のレオとその恋人のファビオは普段は他の街にいるので、実質は他に部屋を借りているセバスチャンと共同生活をしている感じだったのだが、

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ブログを更新していない間にいろいろな事が起こっていた。 

 

 セバスチャンが彼氏と別れた。

 

 

以前から申しておりますように、セバスチャンは私が愛してやまない同居人のメキシコ人男性でございます。

それについてこのブログでは言及してはおりませんでしたが、実は彼は半年ちょい前から正規の彼氏ができており、その彼氏も毎日のように家に来ていましたので、それからというものほぼ3人でそれはそれは仲良く暮らしておったのでした。

屈強な男二人で仲良く一緒にシャワーを浴びた後、起き抜けで部屋から出てきた私に腰にバスタオルだけ巻いた状態で二人がかりで陽気に抱きついてきて朝の挨拶を交わす。

誰かがご飯を作っては、三人で過ごせることに感謝しお祈りをして一緒に夕食を食べる。

出かける時には、三人で手をつないで街を闊歩した。

私がリオにいる間には二人でリオに来てくれて、一緒にカーニバルも観た。

彼と付き合ってからのセバスチャンは本当に幸せそうで、しばらくメキシコに帰るのも見合わせようと決意したようでしたし、私はこれからもこんな日々がずっと続くものだと思っていたものでした。

それが、1か月ほど前に突然別れてしまったのです。

その彼氏をシャンギット(チンパンジーくん)というあだ名で私たちは呼んでおり、わりとカッコよくて胸板厚くおさるのような特徴的な鼻と髭をたくわえた、ブラジル人とは思えないほど誠実なきちんとした人で、私たちは愉快な日々を過ごしておりました。

ただの恋人の同居人である私にも親切にしてくれ、またサンバ好きでカーニバルにも長年参加していたこともありいろいろ教えてくれたりと話も合い、私にとっても既に大好きな友達となっていたのです。

私の前では大きなケンカを繰り広げることはなかったのですが、2人で遊びに行った翌日などにたびたび、なんかふたり、そらぞらしい?と思い尋ねるとやはり酔ってケンカをしたのでもう別れる、なんてのはちょくちょく聞いていたものの、いつもすぐ仲直りしてやっぱりお互いがいないとだめだ、ともっとアツアツになりましたので、最後のほうはケンカをしたと聞いても「どーせまたすぐくっつくんだから~()」などと軽くいなして二人の関係は揺るぎないと信じ過ごしておった所存でございます。

 

 

でもね、ついに本当に別れちゃった。

 

セバ曰く、彼は良い人だしまだ大好きだけど、もう彼とケンカをしたくない、酔うとお互いいつもケンカになり、ケンカをすると彼は汚い言葉でののしってきたりするのが辛く、もうそれを繰り返すのは絶対に嫌だと思った、ということだった。

私ははじめはなんだかんだ言ってもまたいつものごとくヨリを戻すのではないかと踏んでいたのだが、シャンギットが仲直りにでっかい花束をプレゼントしたりもしたようなのに、セバスチャンの別れるというその意思は揺らがなかった。

シャンギットもいつものケンカをしただけで、はじめはすぐに元に戻れると思っていたようだった。

別れたという報告を聞いて1週間後に突如テーブルに活けられたセバスチャンのイメージそのもののヒマワリに似た黄色い大きな花たちが、彼の気持ちを象徴するようにだんだんと花びらを散らし枯れていくのを、私は気づかないふりをしながらなすすべもなく見ているしかなかった。

シャンギットは、私やセバがしない家の掃除や管理なども積極的にしてくれたり、美味しいブラジル家庭料理をかいがいしく作ってくれたり、私もサンバ関係の友達の会に呼んでくれたりと優しく、少なくとも私とトラブルになったことは無かったので、私もとても悲しくて、“シングルマザーの恋人に懐いていたのに別れてしまったその連れ子”のような気持ちになった。

 彼が置いて行った水色のタッパーや、彼が作って余った料理が冷蔵庫にしまってあるままなのを見るたびに、彼はもうここには来ないのだ、と思うと喪失感に胸がしめつけられる。

近所を歩いていて彼と似た背格好や同じような髭をたくわえている人を見るとハッとして、一瞬彼と見間違えてしまう。

私の彼氏か!!ここは桜木町か!(One more time, One more chanceより)と自分で自分をツッコみながら、その度にうっすら涙ぐんだりしていた。

セバもはじめは元気が無かったが、だんだんと独り身の自由を謳歌してきているようで、私が無理に復縁を押し付けるわけにもいかない。

セバはシャンギットとは友達に戻る、と言っているものの、私はもう会う機会も無いのだろうな。。。と思うと悲しくなり、私にさよならも言わないで去っていった彼にせめて挨拶をしたいと直接連絡をしてみた。

お互いまったくサウダージ(恋しい、寂しい)だ、ということで、シャンギットの友人も交えて飲みに行くことになった。

その帰りに、まだ家に荷物が残っているので取りに行きたい、と告げてくる。

セバさえよければ私はいいよ、と返事をし、連絡をしたらセバは出かけているが、部屋に入って構わない、と言っているというので二人で家に帰った。

彼が荷物をまとめているうちに、三人で月が綺麗だね、なんて言いながらいろんな話をした思い出のベランダで彼を待つ。

荷物を取って大きなカバンを持って出てきて、

「今日はこの家にもお別れをしに来たんだ。」

と寂しそうに言う。

私はそれを聞いてふいにすごく悲しい気持ちになって、

これは彼に言ってはいけないのに、と思いながらも、

『も~、バカ~、なんでケンカなんかしたのよ~。』

と少し責める口調で言ってしまう。

すると彼が顔を押さえて固まり、よく見ると嗚咽をもらし始めていた。

それに気づき、つられて私も堪えきれなくなってしまう。

涙がとめどなく溢れて、しばらくふたりで抱き合って思いっきり泣きじゃくった。

 

彼が私と会ったのは、私をダシにして、私と会った帰りに家に寄ると告げることで、セバスチャンに荷物を撤収するのを止めに来て欲しかったためなのだということはなんとなくわかっていた。

わかっていて、のこのこ会いに行ったところもある。二人が元に戻ることを祈りながら。

 

ずいぶんねばったが、セバはその夜、帰って来なかった。

 

 

おまえは関係ねーだろう、という話で、そんな理由で泣き暮らしているというのは大袈裟だ、と思われるだろう。

まあ、聞け。

もうちょっといろいろあるのだ。

だがこのことがこれから私に降りかかる問題への分岐点だったのは間違いない。

次回へ続きます。