ブラジル・日本人サンバダンサーの華麗な日常

ブラジルに住む日本人サンバダンサーの全く華麗ではない日々

番外編~ブラジルに住んでない・日本人サンバダンサーの華麗な日常④闘膝痛記Ⅲ最先端医療への道・出会い編

久しぶりに日本で会った友人は看護師であった。

ああ、その友人が整形外科とかに務めてて、それで膝の治療に詳しかったのか、、、と皆さんは思われたかもしれないが、そういうことではない。

彼女の専門が何科であったかもはや思い出せないが、予約してくれた飲み屋で膝の治療をしていると告白すると、「膝の治療大変だね、治ると良いねえ~」と、医者を紹介してくれるわけでも無く傍らで白ワインをガブガブ飲んでしまいには終電を数駅乗り過ごしてタクシーで帰るという実に私の友人らしい自慢の愛すべき(ダメ)人間であって、整形外科は専門外だった。

ただ、彼女本人はとても不本意らしかったが務め先で“総合病院一の美容番長”と呼ばれいじられつつ親しまれており、美容系の医療に異様に詳しかった。

興味もあったのでその手の話をいろいろ聞いたのがきっかけで、最近は美肌界には再生医療というものがあるということを知った。

シャケの何らかのエキスを注射針で顔に何か所もぶっさすと肌が活性化するという。しかも、そのシャケ汁注射は膝などに打つと膝が治ったりする治療と同じ原理である、というのだ。

おお!!そんなのが本当にあるのか!!ひょんなところから新しい知識を得て大興奮だ。

脳に飛沫を上げ海を渡り川を登る雄々しいシャケのビジュアルが浮かんだ。

川と海を股にかけるトリッキーさ、かつ川へ戻って来る義理堅いところからして、私もあいつは只者では無いと常日頃から睨んでいたのだ。

ぜひ今すぐその驚異のシャケパワーで私の膝を治して欲しい。

興奮しそう告げるも、美容用の注射を膝に打つとかはできない、そういう話じゃないのだ、とすげなく斬られた。

だが、希望の光が見えてきた。

何かそういう治療法があると知れただけでも大儲けだ。

それは野球の大谷選手が肘に打った注射と同じ、PRP注射というもので、本来はシャケ汁ではなくて自分の血液から採ったニンゲン汁を注射すると関節痛などが治る、という最先端医療であった。

 

嬉々としてそれについてネットなどで調べてみると、いくつかの病院で実際にその治療は行われていた。

まだ数はあまり無く、いろいろな方式があり値段も治療に要する期間もまちまちで、素人である私が調べきりそれがどういうものか要点を理解するまでにもかなりの日を要した。

もうブラジルに戻る日まで10日もなかった。もたもたしてはいられない。

わかりやすい解説がしてあり値段がお手頃であった大学病院に意を決して予約をしようとするも、どう予約できるのか具体的に記されていない。その科のHPの深いところまで調べ込んでみると、

2019年度末まで予約がいっぱいなので新規予約は受け付けられません。

というようなことが書いてあった。大人気過ぎる。ハワイ直営パンケーキ日本1号店か。

他の病院に問い合わせるも、血液を採った後注射を打つまで3週間以上要したり、日にちを空けて何度か注射を打たなければならなかったり、地方にあったり、金額がべらぼうに高かったりと、どれもこの一時帰国中でできそうにない。

そんな中、HPでは細かい情報まではわからなかったものの、家から車で15分ほどの距離にその治療をやっているという病院を見つけたので、とにかく藁にも縋る思いでそこを訪ねてみることにした。