ブラジル・日本人サンバダンサーの華麗な日常

ブラジルに住む日本人サンバダンサーの全く華麗ではない日々

愛と友情のマクンバ 実践・完結編(の後編)

 前回ちょっとオカルト?ぽい話を書いてみた。

 

なので、それつながりで思い出した今日はずっと気がかりだったマクンバ完結編(の前編)

joe.hatenadiary.com

の続きを書きます。

 

~ 前回のあらすじ~

オッス!オラ叙空!!

とうとうオラたちの前に史上最強の敵が現れたみてえだ!え?魔術をかけられた仲間たちが大変なことになっちまってるって?!オレオレ詐欺にひっかかる亀仙人、女装家に転身したベジータ、その傍らでパラパラを踊り狂うピッコロ。みんな絶体絶命の大ピンチだぞ。でも、こんなつええ敵ははじめてだ!!なんかオラ、ワックワクしてきたぞ!!!(うそ)

 

路上での儀式のようなものを終えてヤスミンちゃんちに戻ると、庭にミニ祭壇が設えられていた。

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早速始まる流れとなり、白っぽい服を着た女子四名で庭に並び立つ。

ヤスミンが祭壇に灯をともし、YOUTUBEのマクンバBGMのボリュームを上げていった。

まずは私の痛いほうの膝を見せろ、と言ってくる。

ヤスミンは厳かにそこにバケツのハーブ水をつけた黒い汚い塊を塗りたくり、

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人んちから切った枝を神主のような所作で私の膝にさわさわと擦り付け、さらに藍色のインクのような粉をまき散らしながら指でなぞってぶつぶつと何かを唱え、膝の上から白い布を巻いて固くしばった。

 

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汚い黒い塊はサボン(石鹸の一種らしい)なので、家に持って帰って無くなるまでシャワーを浴びる際に必ず膝に塗りたくれと言われる。

 そこまでで20分くらいか。

 

さて、ここからが本チャンのようだ。

注)ここからは人によっては刺激的に感じられるかと思われますので、不快な気分になりそうな方は読まない・見ないようにしてください。

 

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そして、あんまり生々しい写真は載せないし、描写もあえて淡白にさらっといかせていただくが、ヤスミンちゃんは例の段ボール箱の中の動く物体を生きのいい状態で取り出し、その首を反対方向に曲げたまま片手で固定させて器用に持って、もう片手の中にあるナイフで確実に頸動脈を切り生き血を捧げるように真ん中の黒い人型が座したものに振りかけながら、何かまじないのようなものを唱え続けた。

 

ぎゃあ。

 

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私はドン引きながらも、ある程度は予想がついていたのにそれでもマクンバに参加することを決意したのだし、家庭用小規模マクンバだとは思われるが荘厳な雰囲気だしで、悲鳴を飲み込みじっと作業を見つめるより他になす術もない。

 

さらにそれを籠の上に置いて、リンゴやらリボンやらで装飾し、シャンパンやラメの粉や薔薇の花びらなどを上から振りかけ、綺麗にラッピングしていく。綺麗、と言っても、その亡骸となったものの上にだが。

 

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ヤスミンは執事を呼ぶような卓上ベルをチリンチリンと鳴らしながら、緑ブラと少し話をして何かを一心に祈れと言っている。

それに従い、鳥さんごめんよと思いつつ、私も祈る。

スピーカーに繋いだYOUTUBEのボリュームをもっと上げ、ヤスミンちゃんのまじないもベルの音量もさらに激しさを増してくる。

もう夜中の2時を回っていたため、非常に近所迷惑では無いかとまた違うところを心配しながらも、どうやらこれがクライマックスのようだと察してはいた。

 

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最後には、さらにロウソクに火をつけ、火をつけた葉巻を亡骸のクチバシに咥えさせ、さらに葉巻やタバコを隙間にぶっさし、いつもの定位置と思われる場所に移動させて、やっと儀式はお開きとなった。

 

それから、私がしごきまくって抽出したハーブエキスをわけわけしてそれぞれシャワーを浴び、(良くわからないがそれを首から下にだけかけてからシャワーを浴びろと言われた)遅いので皆ヤスミンの家に泊まり就寝。

 

完結するまで長くなったがざっと、ここまでがこのマクンバにおいての当日の全工程であった。

どこまでをこのブログで書いたら良いかかなり考えたが、エグい部分も含めなるたけ事実に忠実な形でここに記してみる。

 

ところで、今回の儀式を仕切るのであろうかとあたりをつけていた例の緑ブラの彼女は、べつだん儀式を仕切ったりするわけでもなく、翌日早くにこれから仕事だとスタコラ帰っていったので、結局誰だったのか良くわからないままであった。

翌日ホーザに聞いてみると、どうやら他の女に盗られた元カレとの復縁を望んでたまたま本日のマクンバに参加した人だということであった。

 

 彼女がそれから元カレと復縁できたかどうかは知らない。

私の膝もご存知、治ってはいない。

 

私に関して言えばいろいろあったが無事今年もカーニバルには希望のチームで参加はできたし、もともと熱狂的に信じているわけでは無く異文化を知りたいという半ば好奇心からの友情出演ならぬ友情マクンバという部分が強かったため、何もかもが叶わなくとも特に強い不満は無いのだが、

 

「これであまり効かなかったら、次にはもっと強いマクンバをやりましょう。」

 

とヤスミンちゃんに言われたことが、ちょっと気がかりだ。

 

どうしたものか、これ以上踏み込むのも躊躇われるため、少なくとももっとちゃんと考えてからにさせていただこうと思っている。

 

 

 

 

 

 

 

お手数ですが、二つとも足跡だけでもつけていただければ助かります

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